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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第1章-Page10
 翌日、登校して教室に入るなり、言音が女子ふたりを連れてやってきた。話したことはないが、沢井さわい雪華せつか栄多えだ円美まるみという名前くらい知っている。
「このふたりが入部したから」
「もうか?」
「へぇ、セッカとマルミって、アニメとか小説に興味あったんだ」
 桃香もふたりを知っているようだ。当たり前か。
「ウチは同人マンガ描いてたりするんよ」
「あーしなんかが一緒ですいません、あーしは同人アニメっス」
 前のが雪華で後のが円美だ。初めて喋っているところを見たが、何だこいつら、妙な言葉使いだな。女の子の関西弁は大好物だが、雪華のはちょっと怪しい関西弁に聞こえる。雪華は黒髪ショートボブの活発な感じで、円美は茶髪セミロングのワンレン・アホ毛付きだが、どっちも喋らなければ結構可愛いしお嬢さまっぽい感じなのに、非常に残念だ。
「へぇーそうなんだぁ、知らなかったよ」
 桃香ってオレと喋ってるときと微妙に口調が違う。オレ以外だと語尾に甘えたような響きがなく、普通に喋っているように思う。
「どう? 女の子四人に囲まれてたら、あんたそのうちハーレム王とか呼ばれるかもね」
「却下だ! お前が目当てじゃなきゃ男を入部させてもいいんだよな?」
「いいけど、あたしが認めるような光るものがないと入部させてあげないわよ」
「じゃあ、放課後にでも話してみてくれ」
「いいわ、部室に連れて来て」
 ハーレム王が嫌なんかじゃないが、どうせ桃香はいるし、その他のメンバーも怪しげだから、やっぱり男もいないとダメだ。誰を入部させようとしているかというと、江口大央と阿波あなみ衛太えいたである。つまりは仲のいい友達ふたりだが、実際は、親友以上の関係なのだ。
 江口がエロ大王と呼ばれているのと同じように、阿波はエロ侍と呼ばれていて、オレはエロコメ神とやらであり、中等部では映像研のエロ三兄弟としてその名を馳せていた。
 江口はエロ動画中心だがアニメにも詳しく、阿波はエロマンガや同人中心だがマンガにも詳しい。オレが小説やラノベ中心だから、モノ自体は被っていないのだが、全てにエロという共通点があった。他の分野を知らないわけでもないから、それぞれのおすすめ情報を交換することで、オレたち三人はエロの高みへと登って行ったのである。
 しかし所詮は中学生であり、まだまだエロを極めていないことも自覚していた。
 中等部卒業目前のある日の夕暮れ、なぜかわざわざ探した桃の花の下で、神の一品を目指し互いに精進することを誓い合ったのだ。だから、阿波がB組になってしまったとしても、オレたちの結束に揺るぎなどありえないのである。
 
 昼休みになると阿波を呼びに行き、江口も呼んでオレの席に集まった。『エロ三兄弟が集まってる』などという声がしたがまったく気にならない。
 オレのところには桃香しかやってこないが、江口には女子がかなり寄ってくる。しかし、ひとたび阿波が加わると、潮が引くように誰も寄って来なくなってしまう。本当の阿波を知らないと、エロいキモオタにしか見えないからだろう。
「なあ、コアラ部ってのに入らないか?」
「えらく単刀直入でござるな、都筑氏」
「うむ、話だけなら聞いてやらんでもないぞ」
 侍みたいに喋っているのがエロ侍こと阿波で、偉そうなのがエロ大王こと江口だ。わざとそういう口調なんじゃなくて、最初から普通にこうだった。
「コミック、アニメ、ラノベを研究するとか言ってるけど、多分好きなことをやれると思うんだ。創作もするようだが、みんなの趣味に合ってると思う。どうだ、一緒にやろうぜ」
「良いですな、都筑氏、また三人で暴れましょうぞ」
「いや、暴れるのはやめてくれ、桃香も一緒だ」
「そ、そうでござったか、それは考える時間が必要でござるな」
 眼鏡を指で上げながら阿波が呟くが、割と長い顔の、そのコメカミには汗が流れていた。
「案ずるな、阿波よ、桃香は都筑に任せておればさほどの危険はない。ワレは入っても良いと思っておる」
 言葉は尊大な偉丈夫のようだが、実は江口は小柄で顔なんて女の子にしか見えないし、しかも声まで普通に女の子のようである。男にしては髪が長めだから、ショートカットのボーイッシュな女の子が男子の制服を着ているようにも見える、それが江口だ。それでいてドの付くスケベなんだから世の中分からないものだな。
「であれば、決まりでござるな」
「うむ。よかろう」
「おう、楽しくなりそうだな、オラ、わくわくしてきたぞ!」
 それを聞いていた桃香からため息が漏れたが、無視だ。
 残りの昼休みも三人でおおいに盛り上がった。やっぱいいな、こういうの。
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