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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page17
「ここから面白そうだと思うものを選んでみな。できればラノベ原作のな」
「うん、見てみるねっ」
 アホでも分かることだが、巻数が多いものは人気が高い。巻数がもの凄く多いのはほぼマンガ原作だが、そういったものの絵は少年漫画のそれなので桃香にも区別できるだろう。
「これなんか面白そっ」
「あ、これはラノベ原作だ。ラブコメだな」
 桃香が持って来たのは、竹宮ゆゆこ先生の『とらドラ!』だ。アニメも面白いのだけれど、当たり前だが原作にはまた別の味わいがあるので読むべき作品である。
「よし、大体見たな。今度はラノベコーナーに行くぞ」
「うん」
 ということで書籍のラノベコーナーにやって来た。
 桃香は色とりどりの背表紙が並んでいるところを見てまわると、さっきの作品を見つけたようだ。第一巻を取り出して、オレに見せてきた。
「あった、ほら、これ。表紙も可愛い! 手にトラ乗ってるよっ」
 知ってるよ、うちにあるから。
「ああ、よし、買っとけ」
「他に見てからにする、神作のおすすめっぽいし絶対買うから安心してっ」
 物語として、ラノベとして、面白いし絶対におすすめの作品だ。しかし、これを真似してラノベを書いたら大変なことになる。素人がやっちゃダメってことがてんこ盛りだからな。
 桃香は次々と見ているが、タイトルと表紙だけの確認しかしていなかった。だからといって説明的で長いタイトルもどうかと思うが、表紙が大事なのは事実だろう。最初の作品イメージとなる重要なファクターである。
 それを逆手に取ってか、有名作品を真似た表紙のものまであるが、それもどうだろうか。もっとも、イラストレータ、いわゆる絵師さんが同じで似ているのは当然のことなのだが。
「これもいいかも」
 そう言って桃香が持って来たのは、野間のまじん先生の『極悶島ごくもんとう』と杏葉あんばのぞみ先生の『わたしの彼は18センチ』だった。ネットで調べたことがあるが、野間先生は普通の小説を書いてたのが、何を思ったか数年前からラノベまで書くようになり、ラノベの新境地を開拓して二、三十代に大人気という人だ。杏葉先生は少年少女向けの小説翻訳をしてた人だが、やはり数年前からラノベを書くようになって、今や女性人気が凄いらしい。題名はどっちもエロそうだが、一応ラノベの範疇に収まっている。ネタバレだけど、18センチって身長のことだからな。
「こっちの野間先生のは年齢層が高めだから面白いけど後回しがいいかな。杏葉先生のは女性に人気だから読んでみるのもいいと思うが、これもラノベとしては独特だから後にした方がいいかも知れない。違うラノベも探してみ」
「分かった」
 でも、まあ、あのふたりを選ぶなんて、なかなか桃香も見所のあるやつだ。シュールな天然ボケが好きなら杏葉先生はお勧めだが、不条理ギャグっぽいところもあるからな。
「ねえ、これってどう?」
 次に持って来たのは、伏見つかさ先生の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と、五十嵐雄策先生の『乃木坂春香の秘密』だった。これは野間先生や杏葉先生のよりラノベの王道って感じだな。ただ、ラノベを書く参考にするとなれば、やはり痛い目に遭うかもしれない。
「それか。どっちもオレの嫁だ」
「えっ?」
「いや、どっちも読めってこと。最初のも含めて三つとも完結してるし、読むにはいいから」
 最初のが十巻、次のが十二巻で、最後のが十六巻だから、三十八巻だな。
「全部で三十八巻だから二万ちょいで買えると思うぞ」
「思ったんだけどさっ、神作ってこれ全部読んだんだよねぇ?」
「当たり前だ前だ」
「だったら貸してっ」
「へ?」
「持ってるなら、買わなくても借りればいいよねっ」
 気づきやがったか。アホだからここまで掛かってしまったが、普通ならオレの部屋で気づくはずのことである。
「売れないと儲からないから、それって法的にどうなんだ?」
「コピーとかじゃなくて読むだけだよっ? そんなの普通でしょ、何言ってんのっ?」
 書籍は著作物なので当然保護されていて、貸与権というのも著作権にある。桃香が言っているのは昔の貸与権が保護対象ではなかった頃のイメージなのだ。個人所有の著作物は家庭内での貸し借りはまったく問題ないし、特定の友人数人になら貸すのも問題ないが、不特定あるいは特定でも多数(五十人以上らしい)への貸与は不法行為となる。図書館は例外だけど。
「そうか、まあ貸してやらんこともないがな」
「なんでいきなり偉そう?」
「読みながらスナックとか食うなよ、ポテチとかクッキーとか油っ気があるのは特にダメだ。それに折り目とかも付けんなよ。約束できるか?」
 桃香の鼻先に人差し指を突きつけながら注意事項を言う。当然のことだろう。
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