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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page18
「細かっ!」
「普通だろ、開いたまま本を伏せて置くとかするやつの気が知れないよ」
 実は、これらはオレが親からさんざん言われて来たことだ。習い性となるってやつだな。
「分かったわよ、大事に読むから貸してよねっ」
「いいけど。そうだ、ちょっと古本屋にも行ってみようぜ」
「古本なんて、それこそ何して読んだか分からないのにっ?」
「違うって、お前のためだ。黙ってオレについて来い」
 なぜかしおらしく、しかも何でかオレの袖の端を摘んで歩く桃香と一緒に、これも近くにある古本屋に向かった。ブックオーブという、でかいチェーン店のやつだ。
 店に入ると『いらっしゃいませぇ』と声がかかり、店内のいたるところでそれに唱和してくる。どこかで読んだが、あれは誰が言っても唱和してくれるらしい。営業妨害にはならないとは思うが、試すならほどほどにしておくべきだろう。
「ここで何見るのっ?」
「どう考えても本だろ。ここにはどういう本があるか分かるか?」
「古本でしょっ? 神作、バカなの?」
「バカはお前だ。さっきの本屋と比べてどう傾向が違うか見に来たんだよ」
 ということで、ラノベコーナーである。
「さあ、見てみな」
 アホの桃香に分かるとは思えないが、とりあえず見てまわらせる。
「そうね、売れてる本が古本にも多いって感じかなっ」
「当然、相対的にそうなるよな」
「でも、売れてても無い本もあるかなっ」
「そこだ! 出回った冊数が多いほど古本も多くなるのは当然だけど、必ずしもそうはならない。なぜなら、古本屋に売るか売らないかを読者が決めているからな」
「そっか、好きな本なら売らないよねっ」
「そういうこと。手元に置きたい本は古本屋には並ばないんだよ。どうせ書くなら、そういう本を書きたいって思うだろ? まあ、色んな人がいるから、ちょっと調べたくらいじゃ分からないんだけど、たまたま当たったな」
 もっとも、古本屋が買い取らないほど価値のない本かもしれないんだが。
 ここでも何も買わずに、もう一軒、オレの行きつけの古本屋も見てから帰った。
 で、オレの部屋に何も言わずに一緒に入って来てしまう桃香である。いつまでもオレが何もしないと油断してると痛い目に合うぞ! まあ、何もしないけど。
「ここの本読んでいいけど、言っとくが持ち出しは禁止だ。一冊読んだら、ちゃんと元の場所に返せよ」
「ここで読めってことっ? ずっと神作と一緒にいることになるよっ?」
「それが、今までと違うとでも?」
「あ、おんなじか。神作ぅ、ホントは私と一緒にいたいんじゃないのぉ?」
「ああ、桃香と一緒にいたいとは思ってる」
「そう、なんだ……」
「マジに受け取んな! 冗談だって分かれよ」
「照れなくていいって、分かってるからっ。じゃあ、さっきの手にトラが乗ってるのから読んでみるねっ」
 何がどう分かってるのかアホの心理は常人には理解できない。まあ、静かに読んでろ、オレは小説を書くから。
 桃香が読み始めて、少し後のことである。
「どぉこぉいぃくぅのぉ、違うな、どぉうこぉういぃいくぅうのぉう」
「やかまし! 何言ってんだお前は」
「だって、声に出してみないとよく分からなくてっ」
「女優か! 脳内再生しろよ、ったく」
 脳内再生とは専門用語で、一般人の黙読というのに近いが、違いは脳内再生では声が担当声優になっている点である。アニメを見る前なら勝手にCV決めて読むのだ。
 ともあれ、アホは放っておいて、プロットを考えよう。
 小説の神さまとか降りて来ないかなぁ。お笑いの人とか作曲家とかは降りてくるって言う人がいるんだから、小説で降りて来たって不思議じゃないよな。できれば、美人の女神さまか、可愛い精霊みたいなの希望です、神さま。そういうのを降ろしてください。
 いや、待て。小説に必要なのはスピリットだろ、フランス語でエスプリだ。ってことは精霊をお願いしといた方がよさそうだな。
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