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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page19
 オレは目を瞑り、指を組んで深く祈った。可愛い精霊、可愛い精霊、可愛い……
「タイガー!」
 桃香がいきなり叫んだ。
「うるさいぞ、伊達直人!」
「トラじゃなくてタイガーだったんだよっ」
「それって同じじゃないか?」
 その後、桃香は作品に引き込まれているようで、静かなものだった。善き哉。
 と、ノックする音もなく、静かにドアが開けられたのをオレのハイパーセンサーが検知した。
 彩萌だ。
「ノックしろって言ってんだろ、彩萌! オレと桃香が何かしてたらどうする」
「じっくり観察する。そのためにそっとドア開けてるし」
 よっく観察するがいい、やましいことなんか何にもする予定はないからな。
「で、何だ?」
「お昼、うどん作ったよ。桃香お姉ちゃんの分もあるから下に来て」
「お、もうそんな時間か。桃香、そこにあるシオリをはさめ、裏返しに置いたり折り目を付けるなよ」
「はいはい、これでいい? 彩萌ちゃんありがとね、行こっ」
 エディタの保存ボタンを押してからパソコンをスタンバイモードにすると、オレも後に続いた。
 食卓に行くと、既に丼が置いてある。
「これが、うどん……だと?」
「そうだよ、彩萌が打ったんだ、初めてだから失敗してても文句言わないでよね」
「ああ、分かった」
 もしかすると、うどんというものの原点がそこにあったかもしれない。まあひとつの説ではあるのだが、うどんの元となったのはコントンという料理だったとか。字は混沌のサンズイを食偏にしたものだが、目の前にあるのはコントンというよりカオスだった。
 実は彩萌は料理が上手い。ほぼ毎日していて弁当も毎朝作っているが、不満に思ったことはまったくないからな。だが、これは失敗だと言わざるを得ないだろう。
 こりゃ期待できそうにないな、と一口食べてみる。
「ウマいがな」
 おっと、条件反射で関西弁になっちまった。
「見た目はアレだけど、彩萌ちゃん、美味しいよっ」
「ありがと、のし台ものし棒もないから、手で延ばしてみたんだ、ちょっと不格好だけどね」
 なぜ、のし台ものし棒もないのにうどんに挑戦したのだろうか、我が妹ながら理解不能だ。とはいえ、岩手の『ひっつみ』に近いと思うと、違和感なく食べられる。ひっつみは食べたことないんだけど。
 美味かったので全員が完食した。
「ねぇ、桃香お姉ちゃん、昨日相談した件だけど、どう思う?」
「コアラ研とかのことか?」
「お兄ちゃんはいいの! ベッドで跨がんなきゃ相談できないんだから」
「何の……こと?」
 上目使いに低い声で桃香が聞いた。アニメなら顔は影になり目が赤く光っているはずだ。
「怖っ! 桃香、怖いって。理由は後で教えてやるよ。ともかく彩萌、ありゃ冗談だ」
「嘘、目がマジだったし」
「ふざけて冗談言ったらつまんないじゃないか。それで、コアラ研って何やんだ?」
「コミック、アニメ、ラノベの研究だってさ」
「作ったのは九鬼宮言理って言ったな」
「え? 一度言っただけの名前とか覚えてるって、お兄ちゃん天才?」
「ああ、今頃やっと分かったのか、妹よ」
「それって、九鬼宮言音の親戚かな? 名前も似てるから妹さんかもっ」
「おい、ネタばらしすんな」
 裏拳でツッコむ真似をするオレ。
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