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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page21
「何か飲むか?」
「あんたんとこのお茶なんて、どうせTバックでしょ、いらないわ」
「お前な、Tバックはパンツだぞ、紅茶のはティーバッグって言うんだ」
 桃香と彩萌が白い目でオレを見ているが、気にしてはならない。
「知らないの? 最新式のはTバックを穿いてるのよ」
「あ、それもうオレが言ったから」
 ちょっと頬を赤らめ、強引に話題を変える言音である。
「で、言理が迷惑かけてるんだって?」
 言音が彩萌を見ると、彩萌がこくんと会釈した。
「ああ、彩萌は言理って子と同じクラスでさ。言理ってやっぱお前の妹なんだよな」
「そうよ、あの子には困ってるのよね。何でもあたしの真似をするし、あたしの物を欲しがるし、おまけにある種の中二病なのよ」
 兄弟姉妹ではよくあることだな。彩萌もオレの真似して小説を書くようになったし。
「お前の真似してコアラ研ってのを作ったとして、何で彩萌をそんなに入れたがるんだ?」
「あんたの妹だからだと思うけど?」
「だから何でだよ。オレなんて特殊能力とかないと思うんだ、多分だけど」
「あるのよ、あんたたち兄妹には。自分で分からないの?」
 だろ? オレもそうじゃないかと思ってたんだ。
「やっぱりか、オレも普通のやつらとは違うと思ってたんだよな」
「彩萌もですか? 自覚なんて、まだちょっとしかないですよ」
 彩萌にもあったか、さすがは我が妹だ。
「ないって、ふたりとも! ダマされちゃダメだよっ」
「失礼ね、何であたしが騙さないといけないのよ。桃香は知らないの?」
「知らないって、何?」
都筑つづき萌作めいさく彩神あやかの子供じゃない」
「そんなの知ってる、家族ぐるみの付き合いしてんだから。バカだけど神作だってきっと知ってるし」
「知っとるわい!」
 親の名前を知らない子供がどこにいるか。まあ、いるかも知れんが。
「作家で、野間仁と杏葉希ってペンネームなのは知ってる?」
「「「えぇっ!?」」」
 野間仁先生が、マリリン・モンローの本名ノーマ・ジーンから、杏葉希先生がキアヌ・リーブスをもじってペンネームを付けたのは調べて知ってたが、どんなに調べても本名は不明だった。こんなの、にわかには信じられないよな。
「父さんたちって単身赴任してるから、サラリーマンだぞ。作家じゃないって」
「そうですよ、ちっちゃい会社だけど、彩萌も行ったことあります」
「あのね、単身赴任って意味分かってる? そもそも、どこに行ってるか知ってるの?」
「知ってるに決まってんだろ、ヨーロッパとか、とにかくそっちの方だ」
「まあ、ヨーロッパだけど、あたしが会ったのはトラップだったわ」
 言音は遠くを見るように言った。
「何かの罠にかかったのか?」
「パリから西に四十キロくらいのところにある町の名前よ、パリくらいは分かる?」
「バカにすんな! フランスだよ、凱旋門とエッフェル塔があるよ!」
「ムキになんないでよ。その頃、あたしは病気で入院してたの。そこにあんたのパパも入院してきたわけ。日本人を見るとどうしても話しかけちゃうのよね、パパと同じ国の人だから。病室は違ったけど、よく話をしたわ。あんたたち兄妹のこともね」
 不治の病で余命宣告されているのに日本に来たのだろうか。かなりの事情があると見た。
「何の……病気だったんだ?」
 聞くのがためらわれたが、やはり聞かずにはいられないよな。
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