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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page23
 話が横道に逸れながらも、言音から作戦を聞くことができた。普通に考えれば、そんなのに乗るアホがいるかという内容だったが、互いをよく知る姉妹でのこと、本当に勝算があるに違いない。
 例えそれが『コスプレ・ツンデレ料理対決』などという、わけの分からないものであったとしても。それは要するに、妹の弱点を並べた勝負なのだそうだ。普通そんなものに乗ってくるはずもないし、第一、活動内容とはまったく関係ない。なさ過ぎる。
 こっちの話が終わると、早速妹に電話を掛ける言音だった。
「……ということなの。……ええ、そうよ、……何ですって? 負けるから勝負したくないってこと? ま、あんたじゃ百万年かかたってあたしには勝てないでしょうけどね。……いいわ、勝負よ! ……あたしは今からでも構わないけど、あんたが可哀想だから明日の午後二時ってのはどう? ……そうね、広さも必要だから。……あたしを誰だと思ってるの? ……ええ、じゃあね」
 言音は電話を切るとニヤリと笑って言った。
「やっぱり簡単だったわ、全部こっちの思惑通りよ。明日の二時からうちの特設会場で勝負、判定は神作と彩萌ちゃんがして、二票取った方の勝ちよ」
「どう言えば、あんな理不尽な勝負を受けさせられるんだ? 向こうに不利なんだろ?」
「言理の性格なんて知り尽くしているもの。どう言えばどう反応するか分かってれば、誘導するのなんて簡単なものよ。ロードランナーのロボットを誘導するのと変わらないわ」
「そんなにか!」
「準備もあるし、あたしは帰るけど、明日迎えをよこすから必ず来てよ。それから、判定は公平にしてよね、あたしに勝たせようとかしなくていいわ、実力で勝つから」
「ああ、分かった」
 話が終わると、言音は準備があるからと、迎えを呼んで帰って行った。電話でも済んだ話にも思えるが、あいつはわざわざ何しに来たのだろうか。
 
 翌日の午前中もやっていることはいつもと同じ、創作と読書だ。桃香はかなりのめり込んで読んでいる。どうやらヒロインに感情移入しているらしい。
 昼食時間になったが、料理対決があるので昼食を軽めにしようと、いつもは禁止されているカップ麺が久々に許可された。だから、悩んだ。何を食べるか大問題なのは、次にいつ許可されるか分からないからだ。結局、最もポピュラーかつオーソドックスなものに決め、コンビニに買いに走るオレだった。
 たまに食うと美味いんだな、これが。
 スープの一滴まで堪能した後の一時ちょっと過ぎ、チャイムが鳴り、迎えだという車に乗せられた。向かった先は、ガキの頃幽霊屋敷か吸血鬼の館かで大論争になった古い洋館である。オレは吸血鬼派で、理由は幽霊なんていないからという実に理論的なもので、それによって大勢が吸血鬼の館に傾いたのだが、どうやら違ったようだ。
 車寄せに着くと、メイドさんに案内されて長い廊下を進み、大きな部屋に入った。
 その部屋には厨房設備がふたつ並んでいて、正面中央にはテーブルクロスの掛かった大きなテーブルがあり、アンティークな椅子が二脚だけ置かれている。何となく、キッチンスタジアムという言葉が浮かんだ。
 江口たちも連れて来られていて、中等部の女子も何人かいた。
「彩萌! どうなってんの?」
 彩萌のクラスメイトだろうか、妹は呼ばれてそっちに行ったので、オレと桃香は江口たちと合流した。
「突然連れてこられたのだが、どうなっておるのだ?」
「いや、言音がさ、『コスプレ・ツンデレ料理対決』とかいう勝負をすることになってな」
「一体、なぜにそのような勝負をすることになったのでござるか?」
「言理がさ、言理って言音の妹な、コアラ研とかいうのを作ったんで、それを潰そうってことで言音が勝負をふっかけたんだよ」
「なんや姉妹喧嘩かいな」
「まあ、そんなもんだ」
「コスプレとツンデレはまだいいんスけど、料理対決はみじんも部活に関係ないっスよ」
「だな。そこはアホの考えることだから、オレたち常人は踏み込んじゃいけないと思うんだ」
「誰がアホよ!」
 ぽかりと殴られたが、桃香に比べたらたいして痛くない。
 振り返ると言音がいた。
「なんだいたのか、言音」
「いるわよ、あたしんちだもの。あ、紹介するわ、妹の言理よ」
 言音の後ろにくっついていたのは、言音にそっくりな、身長までほとんど同じ女の子だった。高校生でも言音はちっこいからな。違いは言音がツインテール、言理がポニーテールというくらいで、双子かドッペルゲンガーだとしか思えないほど似ている。
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