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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第2章-Page24
「はじめまして、九鬼宮言理です。姉がいつもお世話になってます」
 言理はそう言うと頭を下げた。普通っていうか、むしろいい子なんじゃないか? 骨格がそっくりなので、声もそっくりだった。
「こちらこそ。彩萌を誘ってくれてありがとな。兄の神作だ」
「知ってます、お兄さまにお会いするのを心待ちにしておりましたもの」
「ホント、言理は何でもあたしの真似して、あたしのものを欲しがるんだから」
「ちょと待った、オレって言音のものじゃないぞ」
「そうよ、神作は私のなんだからっ」
「いや、桃香、それも違うからな」
 女子の間でオレが桃香の所有物と認識されているのは、こいつが自分でそう言ってるのかもしれない。
「とにかく、勝負するって決めたんだから始めましょ。勝った方の部活に負けた方が吸収される、それでいいわね」
「はい、お姉さま。私は結果に従います」
「じゃ、勝負開始よ!」
 勝負といっても、いきなり乱戦とかじゃなく、別室でコスプレに着替えるという、なんともまったりとした勝負開始である。
 何するわけでもなく、ただ待つだけの時間が過ぎていく。何やってんだ、オレたち?
『さあ、準備が整いました。おふたりの登場です!』
 いきなりアナウンスを始めたのは、メイドのひとりだ。
 部屋の照明が落とされ、別のメイドふたりによるピンスポットが入り口に当てられる。『ツァラトゥストラはかく語りき』が室内に流れてくるが、演出過剰じゃないか?
 入って来たのは『魔王少女と金もない俺』の魔王少女ルーシーがふたり、つまり丸かぶりだ。元がそっくりなので、同じコスプレをされると、まったく区別が付かない。唯一最大のヒントだった髪型まで一緒なんだから。
 魔王少女は、大きな金と銀の珠の付いたリボンで結んだ黒髪のツインテールにベルト風のチョーカー、胸元が大きく開いたビスチェみたいなの、ゴツいベルトに二段ミニスカート、二の腕までの手袋とニーソックスにブーツを履き、大きなマントを羽織っている。濃灰色が基調だが、少し明るいところや白や黒の部分もあり、一部には蛍光色の縁取りがされていた。同じところから買ったのか、衣装もまったく同じである。
 そっか、『ともない』のOVAでも『ツァラトゥストラはかく語りき』使ってたもんな。
「あんた、何で一緒なのよ」
「あんたこそ、何で一緒なのよ」
 言理が言音の真似をしているようだ。これじゃマジで区別できない。
「ちょっと、神作、あんたならあたしが分かるでしょ?」
「何あたしの口調を真似してんのよ! やめなさい」
「あんたでしょ、真似してんのは!」
 よし、分かった! コスプレ対決は引き分けだ。甲乙付けがたいというか区別も付かない。
 料理に邪魔だし危ないからだろう、ピンスポ係のふたりが魔王少女のマントと手袋を回収していた。ビスチェとミニスカで料理するらしい。
『さて、では料理対決と参りましょう。お題はぁ、これだ!』
 ばさっと垂れ幕が落ちてきた。
 垂れ幕には『餃子対決』と勢いのある筆字が書かれている。予算かけ過ぎじゃないか?
『お題は餃子です。時間は一時間、焼き上がった方から試食していただきます。アレ、キュイジーヌ!』
 何かの番組をパクったのではなく、フランスについこの前まで住んでいたからこそのフランス語なのだろう。ちなみに、アレ・キュイジーヌは『料理始め』という意味らしい。
 料理をしているふたりを見て、ふと思った。これは至極公正な評価になるだろうなと。なぜなら、誰が作ったのか分からないのだから。
 料理しているところを見ていると、同じ材料、同じ作り方で、しかも両方とも日本式の焼き餃子である。中国の餃子は本来水餃子で、残ったものを温め直す時に焼くらしい。日本式は、水を入れて煮てから水分を飛ばし焼くという、ふたつの工程を続けてやっているのだ。
『もうすぐ焼き上がります。判定するおふたりは席にお着きください』
 言われた通りに、オレと彩萌は中央のテーブルに向かった。
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