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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第3章-Page33
 その時、オレのスーパーセンシティビティーデテクターが異常を感知した。名前が長いな。
「あ、彩萌、いつからいた!」
「カカト落としの時から、そんなのいいから、彩萌の人生相談その二なんだけど」
「おし、オレがベッドに寝るから、そしたら……」
「それ、もういい。読んだし」
「読んだって、何を?」
俺妹おれいも。だから、お兄ちゃんに跨がるっていう意味もわかったから」
「そうか、で、何で暗い声なんだ?」
「スランプなんだよ、BL小説が書けなくなっちゃったの。彩萌はどうしたらいい?」
「あのな、ムリしてでも書くのはプロで、素人は書けなきゃ書かなくていいんだぞ」
「違うの、萌えないの」
「嗜好が変わったんじゃないか? 他に何か萌えるものでもできたのか?」
「そう」
 こっくりと頷く彩萌である。
「じゃ、そっち書けばいいだろ」
「あ、凄い! お兄ちゃん天才なんじゃない?」
「実はそうなんだ」
「あのさ、彩萌ちゃん、何に萌えるようになったの?」
 スルーですか。
「兄妹もの?」
「なぜ疑問形?」
「まさかだけど、彩萌ちゃんて神作が好きなの?」
「嫌いじゃないよ、兄妹だし。ってゆうか、物語的にいいかもって思って」
 彩萌は、感化されやすいからな。それに、読んだ作品で口調もよく変わるんだ。昔、ヤクザ映画を観て映画館を出てくる人は、みんな肩で風を切って歩いてたっていうから、彩萌だけそうなんじゃなく、誰にだってある傾向なんだと思う。
「彩萌、とにかく書いてみな。ただし、プロットをよく練ってから、真似や模倣にならないようにしろよ」
「うん、分かってる」
 待てよ。読んだ作品に感化される傾向が一般的なんだよな。
「それから、桃香。お前が次に読むのは宇能先生の作品な」
「いいけど、どんなの?」
「オレの一人称のバイブルだ、勉強になるぞ」
「分かった、けどえっちなのはダメだからねっ。ちょっとだけ見せて」
 本棚から一冊取り出して桃香に渡す。
「これ、父さんのだから、汚すなよ」
「大丈夫だよっ」
 ぱっと開いてさっと中身を確認している。丁と出るか半と出るか、正念場だ、オレの命の。
「えっちぃけど、まあいいわ。小説の勉強なんだからっ」
 お、意外に受け入れたな、作戦成功だ。いや、オレは別に桃香をHにしたいわけじゃない。エロい小説を書いてもカカト落としされなくなればと思ってのことだ。
「お兄ちゃん、紙ちょうだい、それとペンも貸して」
「いいけど、何するんだ?」
「プロット書くの、ここでやってていいでしょ?」
「ああ、別にいいぞ」
 紙とシャープペンと消しゴムを渡すと、桃香は小さいテーブルのところであひる座りして、何やら難しい顔をしたかと思うと、ペンの先の方を持ってこちょこちょと書き始めた。もうちょっと上の方を持つべきだと思う。
 桃香も読書の続きを始めたので、オレも自分の創作に戻った。
 
 桃香も帰り、夕食が済んだ頃、携帯が鳴りだした。
 円美だ。
『もしもし、円美っス。都筑サンスか?』
「ああ、円美って電話でもその口調なのな」
『もちろんス、電話だからって声が高くなったり口調が変わるのは何かイヤなんスよね』
「分かるけど、それって男っぽくないか?」
『かもっス。突然なお願いなんスけど、アニメの動きの参考にモデルになってもらえないっスか?』
「モデル? それって何すんだ?」
『江口サンとふたりで動きをやってもらって、それをビデオに撮らせてもらいたいんスよ。男子の動きは男子でないと出ないっスから』
 言っている意味は分かるが、江口に男子の動きとやらが出せるのかは微妙だろう。それに、最も懸念すべきは、こいつが腐女子かどうかってことだ。男の動きとやらに『BLの』などと付いたら悲惨だからな。
「いいけど、まさかBLとかじゃないだろうな」
『違うっス、普通なやつっス』
「なら、江口も一緒だっていうし、協力してやるよ」
『感謝っス、それで、できればなんスけど、今度の土曜の朝十時頃からって空いてないっスかね? お昼をおごるっスから』
「ああ、別にいいけど、そのくらいの時間だと桃香がうちに来てるだろうから、一緒に行くとか言い出すと思うんだが」
『トーカってそんなに入り浸ってるんスか? 半同棲みたいなもんスね』
「そんないいもんじゃねぇよ」
『トーカが来ても全然大丈夫っスから』
「分かった、どこに行けばいいんだ?」
『あーしの方で迎えに行くっスよ、それが十時頃ってことなんスけど』
「分かった、けど、何で電話なんだ? 部活ん時に言えばいいだろ」
『部活は手強いのがいるっスから、それと男子と言っといて阿波サンに頼まないのも失礼かと思ったもんスから』
「そうか、分かった。じゃあな」
『したっス』
 まあBLじゃないエロいのならむしろ良かったりするな。
 いや、待て。もしエロい場合、桃香なんて連れてったら妨害されるじゃないか。ここは秘密裏に事を進めるべきだろう。何も手を打たなかった場合、桃香がここにいるのは確実だ。
 誰を使う? 阿波というわけにはいかないし、それ以外の部活メンバーもダメだろう。残るは彩萌か……いや、いい手があった、結香さんだ。結香さんから何か用事をいいつけてもらえば、桃香は怪しむことなく従うに違いない。ふっふっふっ、オレも悪よのう。
 どうやるかは結香さんに丸投げで、連れて行きたくない理由以外は本当のことを書いてメールした。直接頼むのは桃香がいてかなり難しいからな。
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