印My Original Work Light-novels
Since 2013-12-01
Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




  (ルビ表示が正しくない場合)


横 縦     並 大 特大     G M
コアラブ!-第3章-Page40
 見てないと言ったが、まじまじとが抜けている。脳というものは、見たものを瞬間的に記憶しているのだ。全ての情報を蓄積はしないのだが、今はまだ時間が経っていない。オレは脳内画像処理によってさっきの映像の鮮明化を図った。なるほどな。円美は華奢なようだが、締まったボディーになかなかの美乳である。よし、今度は下半身部分の鮮明化に挑戦だ。
「神作、まさか私たちの裸を思い出してるんじゃないでしょうねっ!」
 やつはエスパーか?
「まさか、温泉に浸かって無我の境地になってるだけだ」
「嘘くさいわねっ」
「おった、おった。やっぱこっちにおったんかいな」
 そう言ってやって来たのは雪華だが、妙なものをまとっている。なんというか薄いバスタオル、あるいはインドのサリーの短いものという感じだ。
「お前の着てるの、それって何だ?」
「これ? 特製の湯文字やん、男の方は下だけやから短い湯文字、女の方は胸から隠せるように長なってんねん」
「湯文字って腰巻きじゃないのか?」
「元々はお湯に入る時に使こうたもんやで。水着とかタオルやと風情がないやろ? せやから特製の湯文字にしたんよ。今、使こてへんの?」
「ああ、オレも、あいつらも」
 桃香たちを顎で示した。
「って、何であんたらすっぽんぽんやねん! ありえへん」
 ちょい待っててなと言って、雪華は奥へ行き、手に湯文字を持って戻って来た。
「ほれ、これ使かい」
 桃香と円美は立って、雪華から着せてもらっている。その様子を堪能した。美尻、そんな単語が浮かぶ。湯文字を着け終わるとオレの方へみんなやってきた。あれ? オレの分は?
「なあ、オレのは?」
「男はええやん、別に見られたかて」
「良くないわ!」
「別に減るもんじゃないっスよ」
「そうよ、女の子に比べたら全然平気よっ」
 勝手なことを言うやつらである。まあ、実際、ちょっとだけ隠せば平気ではあるんだが。
 しばらく連中三人が話しているのを聞いていて、最初に感じた違和感の正体に気がついた。
「雪華って何で関西弁なんだ?」
「え?」
「お前、ここの子だってことは、生まれも育ちもここなんだろ?」
「何? 神作、今頃っ?」
「遅いっスね、来てから何時間スか」
「まあ、気づいてくれてよかったわ、少しはウチに関心あるゆうことやから。せやで、ウチは関西に住んだことも、行ったこともない。父親が旅館の修行やて関西に行ってて、母親を見初めて連れ帰ってきてウチが生まれたんよ。せやから、ちょっとだけ怪しい関西弁やねん」
「結構怪しいけどな。ってことは普通にも話せるのか?」
「あったり前じゃん、っていうか、関西の人も仕事とかでは標準語なんだよ」
 雪華、普通に喋れんねや。
「せやけど、標準語やったら目だたへんやん。ウチにはこっちが似おてるし」
「なるほどな」
 女子中高生は没個性をよしとしていると思う。同じ言葉、同じ文字、あるいはメイクやファッションもだ。だから流行というものもあるのであって、個性的な人ばっかりなら、流行なんて起きるはずもない。
 オレはあまり流行に流されないようにしている。大きな、その時代を象徴するようなものなら関心もあるが、短期間の流行などは知らない方がいいくらいだ。なぜなら、小説にそういったものを書いたとしたら、ブームが去れば小説も過去のものに感じてしまうからである。逆に、昔の大きな流行は知っていないといけない。事件や出来事もそうで、時代背景を描く際に必要となるからな。
 雪華や円美は個性を重要視しているなら、作品作りに向いているのかもしれない。
 結構長湯になったし、さて上がるか。
「な、何してんねん!」
「お、結構立派っスね」
「ちょっと、神作、隠しなさいよ!」
 え? あ、考え事をしていてすっかり忘れていた。みんなすぐ傍にいたのに、立ち上がってしまったのだから、ちょうど目の前に分身を晒してしまった。
「ごめん、考え事してた。先に上がるな」
 何事もなかったかのように、前をタオルで隠すと男湯の方へ戻る。途中、後ろからも見えるもんなんやねなどという声が聞こえた。
 温泉から上がってしばらくしてから解散になったが、帰りは円美が車で送ってくれたので楽ちんである。
「どうした、桃香、大人しいな」
「神作があんなもん見せるからよっ」
 ちょっと意識してるってことだろうか。まあ、大人しいならいいや。
Page41 < 次  印  前 > Page39

【お願い】

 表示が崩れる、動作がおかしいなどの場合は、リロードしてください。


【ご利用のヒント】

フォントについて