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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第4章-Page41
 月曜、教室に入ると何やらざわざわしている。いつもとどこか雰囲気が違っていた。
「おはよ、神作ぅ」
「ああ、おはよう……江口ぃ!?
 目に飛び込んできた江口の着ていたのは、女子の制服、つまりスカートである。ざわつきの正体は、江口が女子の制服を着てきたからだった。
「お、お前何でそんな制服着てるんだ?」
「似合う? 借り物なんだけど」
 一回転して見せる江口だが……あれ? 下着が女物だったぞ。
「そう、か。先生に怒られないか?」
「先生がこれを着なさいって。 昨日先生に、ボク本当は女の子なんですって連絡したら、これを持ってきてくれたの。先生もボクのこと女の子じゃないかなって思ってたんだって」
「ちょっと待て、江口。お前、男だよな」
「大央って読んでってば! ボクが男か女か、神作、確かめてみる?」
 そんないたずらっぽい微笑でオレを見るな!
「い、いや、いい」
 土曜には男だって自分で言ったよな。それに、思い出せ、トイレでは隣でしたよな、一緒に風呂に入ったよな、体育で一緒に着替えてたよな……脳内の映像を検索すると、肝心な部分になぜかモザイクが掛かっていた。が、多分男だ。
「江口ってやっぱり女の子だったの?」
 桃香でもやっぱりって言うくらいなんだよな、江口って。
「さあ? どっちかなぁ?」
 江口の女子制服と女口調は違和感なんて皆無だから、男が女子の制服を着てきたという教室のざわつきじゃなくて、やっぱり女の子だったんだというざわつきなのだ。
「ねぇ、このエロ変態大王はどうしちゃったわけ?」
 いつの間にか言音は隣に来ると、腕組みして奇妙なものを見るように江口を細めた横目で見ながら独り言のように呟いた。
「江口が、女になっちゃったんだ」
「やっぱり男装だったのね。あたしの睨んだ通りだったわ」
「いや、違う! とは思うんだが、絶対かと言われると自信がないかもしれない」
 それを聞いて、アルカイック・スマイルでオレを見る江口である。どっちの意味の微笑みなんだ?
「都筑氏ぃ! いったい江口氏はどうしたのでござるか!」
 そう大声で言いながら阿波が教室に駆け込んで来た。
「多分、男の娘になったんだと思うんだが、江口って男だよな?」
「男の娘ならまだしも女ということはござらん。我らは一緒にトイレに並び立ち、風呂にも入ったでござらぬか」
「お前、思い出せるか? 江口が男だというシーンを」
「何をそのような造作もないことを。……な、そんな、まさかのモザイクと謎の光によって肝心な部分は映像化できぬでござる」
「だろ? オレもだ」
「とにかく、様子を見るしかないわね、ムリに他人がどうこう言っても仕方ないし」
 言音のその言葉に、大きく何度も頷く江口だった。
 その後、授業中も休み時間も今までとほとんど変わらなかった。江口の口調とオレへの接し方が変わった程度で、他のクラスメイトとはいつも通りだったからだ。
 
 部活は月曜なので全体ミーティングである。
「さて、今日はこのエロ変態大魔王をどうするか話合いましょ」
「待った、言音、江口の様子を見るんじゃなかったのかよ」
「見たわ、今日一日ね。それに、こんな面白そうなのに無視なんてムリよ」
 顎で江口を指す言音である。
「ウチらからしたら、江口が男か女かというのが最大の問題やね」
「あーしは、どーでもいいと思うっスけど」
「何でやねん」
「だって、どこも変わってないっスから。前から女子として付き合ってたっスから」
「せやな、いっこも変わったことないか」
 簡単に納得する雪華だった。
「あるわよ! 神作に女の子としてちょっかい出すようになったんだから!」
「え? あの、お兄さまにちょっかい出していいんでしょうか? 聞いた話では、そんなことすると凶暴なメスゴリラが現れて地上を火の海にするそうですが」
「誰! そんなこと言ってたやつ!」
 あ、凶暴なメスゴリラだ。
「中等部伝説という冊子です。他には江口先輩が男か女かを知ろうとすると、時空に亀裂が生じて吸い込まれるとか」
「何か、中二病バリバリ伝説だなそりゃ」
 かなりアホな中坊が言い出したに違いない。
「他にもあるっスか、聞きたいっス」
「意味の分からないものなんですけど、侍言葉の男と結ばれると一生幸せになれるとか」
「そんなんありえへんわ」
「はて? 拙者が以前語った内容に似てござるな」
「そうか思い出した、オカ研のだ!」
 そう言えば中等部伝説って聞いて回ってたな、オカルト研究部が学祭で冊子にまとめるからって。つぅか、これ全部オレが適当に言ったやつじゃねぇか!
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