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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第4章-Page42
「じゃあ、江口の性別を確かめると時空に亀裂が生じるわけね?」
「いや、言音、そんなの信じるなよ」
「だって、最初の伝説は多分本当よ」
「そんなことないわよ!」
「マジ事実っス」
「じゃあ、三番目のは? どう考えたって嘘じゃない!」
 桃香の言うことはもっともだ。あれはオレが一生付きまとわれると言ったのを、阿波が幸せになれるって訂正したんだったな。
「そうね、侍言葉の男と結ばれると一生呪われる、とかが誤って伝えられた可能性が高いでしょうね。だとすれば真実になるわ」
「なら、メスゴリラも何かが誤って伝わってるかもしれないじゃない!」
 いや、メスゴリラで正解だ。だが、オレが言ったと知られてはならない。
「まあ、そんなアホな中二病伝説はどうでもいいから、江口の話に戻ろうぜ。オレとしては前の江口に戻って欲しいけど、今のままでも友達として付き合うのは変わらない。江口は江口だからな」
「女の子か男の娘かなんて、ささいな問題っスよ」
「ささいちゃうやろ」
 円美に裏拳でツッコむ雪華である。
「オレとしてはそのまま放っておくのがいいと思うんだ。ふざけてやってるなら飽きるかもしれないし、本当に心がそうなら友人としてはそれを尊重するしかないからな」
「分かったわ、とりあえず何もしないことにしておきましょう」
 言音は優しい微笑みで江口を見ている。
「何て、あたしが言うと思ったかぁ! 解剖だーっ!」
 言音はぱっと身を翻して、江口に飛びかかった。
「きゃぁ!」
 衣を裂くような悲鳴とは違って、わざと言っている感じの悲鳴だ。喜んでる? まさか、まだ属性を増やすつもりだろうか? 欲張りだな、江口は。
 襲いかかったものの、下半身への攻撃なしグレコローマン・スタイルで、言音が触っているのは胸だけだった。土曜にオレも触ったが、あれは分からない。精巧なパットかヌーブラなのかもしれないな。もっとも、オレは本物を触ったことがないので判断もできなかったのだが。
 言音はそれほど長くは攻撃せず、すぐに立ち上がった。
「ふん、まぁまぁね」
 オレはその言葉だけで、言音が負けを認めたことを悟った。ツルペタだもんな。
 男か女かはうやむやのまま、江口問題はお蔵入りとなった。さすがに下半身まで確認する気はないらしい。オレとしては、中等部伝説のメスゴリラがうやむやに終わったんで良かった。
「みんな席に着いて。作業の進行具合とかできたプロットを順に発表してちょうだい」
 何事もなかったかのように、いつもの部活に戻っていた。
 
 その後の帰り道のことである。
「神作は江口のことどう思ってるの?」
「どうって、男だと思ってるけど、まるで女だから自信がなくなってきたな」
「そうじゃなくって、女の子として、男の娘としてでもいいけど、どう思ってるかってことっ。好き? 嫌い?」
「大事な友達だぞ? 嫌いじゃないよ」
「じゃあ、好きってことっ?」
「友達としてはな。オレの恋愛対象は女の子だけだから、オレが男だと思っている以上、江口は恋愛対象にはならないよ」
「ならいいけどっ」
「なあ、前に結香さんが、お前はオレのことが好きだって言ってたけど、本当か?」
「はぁあ? あれはママが勝手なこと言っただけだしっ!」
「違うのか。オレはお前のことが好きだから、お前も好きでいてくれたら嬉しいと思ったんだが、ちょっと残念だな」
 彩萌と同じように、つまり家族愛のような感じだけど。
「す、すすす、好きっ!? 神作が、私のこと好きって言った……」
「ダメか?」
「好きって言った……」
「イヤだったら謝るよ」
「好きって言った……」
「おい、何だよ」
「好きって言った……」
「ダメだこりゃ」
 それから「好きって言った」しか喋らなくなった、壊れたレコード状態の桃香を家まで送った。結香さんならなんとか修理できるだろう。
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