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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第4章-Page44
 翌日も、そのまた翌日も、江口は女子の制服のままで、既に完全に女子として認知されていた。体育の着替えだって、トイレだって女子の方である。いいんだろうか? エロ大王だぞ、きっと全シーンが脳内保存されてるぞ?
 そんなある日、放課後に江口から呼び出された。阿波も一緒である。
 中等部のときによく話をしていた校庭の隅に久しぶりに三人が集まった。
「どうした、江口、こんなところに呼び出して」
「ボクの誤解を解いておきたいと思ったから」
「その姿になってから、拙者と話すことはほとんど無かったでござるからな」
「女子として生きるには色々あんの。でもね、桃園の誓いは忘れてないよ」
「お前、桃園ってただの桃の木の下じゃないか、なに三国志気取ってんだよ。ってか、桃の木を探したのってそれでだったのか!」
「更なる高みを目指す、その結果がこれだったわけ」
 自分の体を見下ろしながら言う江口である。
「意味が分からないのでござるが」
「エロいって何? 結局は女の子でしょ? それに女の子ってすっごく感じるみたいじゃない、男の何倍もいいって何かに書いてあったし」
「そりゃ脳とか体の仕組みがあってのことだろ? 女の子のフリしたってそうなるはずもないじゃないか」
「あるかないか神作が確かめて」
「いや、オレは男友達と妹と幼なじみには手を出さない」
 きっぱりと否定した。
「都筑氏、それは誰にも言わない方がよいでござるよ」
「確かに。地雷がいくつも埋まってるね」
 間違ったことは言ってないつもりなんだが、事情を知らないとそう思うのだろうか。
「とにかく、誓いのことは忘れてないって伝えたかったの。だから安心して」
「なあ、桃園の誓いだっていうなら、義兄弟の誓いだよな。そういう意味での好意なら歓迎するけど、恋愛対象にはこれからもならないからな」
「分かった、ボクもそれでいい。けど、気が変わったら教えてね」
「いや変わるつもりはないよ」
「いっそ拙者と付き合ってみるというのはどうでござるか、江口氏」
「キモッ! ありえなぁい」
 一刀両断で即死だなこりゃ。どれ、蘇生させとくか。
「大丈夫だよ、阿波。ちゃんとした女の子の彼女ができるって」
「では都筑氏の妹君を紹介しては下さらぬか」
「アホか! ありえねぇよ」
 しまった、死者にムチ打っちまった。
 とはいえそこは友人である。時間はかかったがオレと江口はなんとか阿波を蘇生させた。何度か傷口に塩を塗ったり、古傷をえぐったりもしてしまったが。
 実際、もう江口が男か女かなんて気にならなくなってきたのも確かなんだよな。
 三人がかなり遅れて部室に顔を出すと、怒り心頭の言音がいた。そのせいか、部室内の雰囲気がどんよりとして暗い。
「あんたたち、今まで何してたのよ! 部活に遅れるなら連絡しなさい!」
「ああ、悪い。ちょっと用があってな、今度から連絡するよ」
 意外なことに、言音はあっさりと怒りを静めた。
「まあいいわ、それで今からなんだけど、密室殺人のトリックを考えて。思いつくまで帰れないからね」
「何でだよ!」
「あたしの作品に必要だからよ、できるだけ画期的なのにしてよ。言っとくけど、既にあるトリックは禁止だから。それとナイフによる殺人限定よ」
 そんなの急に思いつくわけないだろう。Hなシチュというなら即座に両手に余るくらいは出てくるが。
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