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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第4章-Page45
 それからはもんもんと密室殺人のトリックを考え続けた。部室の空気が重い。
 密室殺人は不可能犯罪というやつだ。どうやって殺されて、どうして密室になっているのかにトリックがあり、謎解きのヒントもその中にあって、謎が解明される時には、なるほどと思わせないといけない。ただ、論理的に破綻しているものもあるんだけどな。なぜなら、実際に検証して書かれたものではなく、考えて書いただけだから、まさに机上の空論というやつだ。
 と、そんなことを考えていても埒が明かない。帰れないんじゃ仕方ないから、適当にトリックを考えるか。
 
 被害者を刺し絶命させると、薬を飲んで小さな子供になった。
 猫用の穴から抜け出し、解毒剤で元に戻った。

 
 よし、これでいいや。
「言音、できたぞ」
「さすが神作ね、あんたが一番早かったわ」
 言音は椅子に座ったままガラガラと移動して見にきた。その直後、後頭部に痛みが走る。
「痛えな、何だよ!」
「こっちのセリフよ! 何これ? こんなのダメに決まってるじゃない」
「いや、これはアンチテーゼなんだよ、ほら、子供探偵のやつ。あの作品の中だと否定できないトリックなんだが、これを使うと全てが崩壊するっていう」
「あんたのピンク色の脳細胞を崩壊させたくなかったら、別のを考えなさい」
 言音はぷんぷん怒って戻って行った。
 何か書いたら帰っていいんじゃないのか、仕方ない、次は少し考えてみるか。
 
 被害者を刺し絶命させると、クローゼットの天井を外し、天井裏に出た。
 クローゼットの天井を直すと、慎重に屋根を切り取る。
 天井を抜いて屋根に出ると、屋根を修理して逃げた。

 
「よし、言音、今度こそできたぞ」
「もう期待してないけど、どんなの?」
 椅子のまま見にきて、後頭部を一撃すると戻って行った。その間、一言も発せずに。
「みんなに言っとくけど、常識から外れた方法は一切禁止だから!」
 その後部室は酸素濃度まで低下したかに思われた。結局、見回りの先生がもう帰れというまでそれは続いたのだった。
 
「そんな簡単にトリックなんて思いつくわけないわよねっ」
「当然だな」
 帰り道、愚痴りながら歩くオレと桃香である。
「大体、密室にする意味なんてないよねっ」
「まあな、物語として面白くするためだからな」
「現実は小説みたいにはいかないって、パパがよく言ってるし」
「刑事からしたら当たり前だろ。現実はクローズドサークルなんてまずないから、聞き込みしたりして、容疑者特定までが大変なんだし」
「何? クローズドサークルってっ」
「元は閉ざされた環境での犯行って意味だけど、容疑者も限られた中での犯人捜しって感じかな。そうじゃないと推理できないから」
「そういえばパパもそう言ってた。パパって頭脳派だから、推理小説は否定しないけどっ」
「えっ! 何か今、変なこと言ったよな、頭脳派とか何とか」
「頭脳派って変?」
「いや、武闘派だと思ってたからさ、そうか頭脳派なのか」
 真っ向否定したいところだが、そこは流しておく。桃香が親父さんにオレが言ったことを喋るかもしれないからだ。いわば危機回避だな。
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