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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第4章-Page51
 マジ口の中が空でよかった、何か入ってたら吹き出してたかもしれない。
「お前、桃香のことが好きだと言ったよな。あの時は頭に血が上ったが、今となってみれば当然のことだし、それが桃香にも一番望ましいからな、もちろん俺も賛成だ」
「桃香、どうなってるんだ!」
 オレが桃香にたずねると、桃香はしょうがないなぁという感じで答えた。
「だからパパは神作のことを見直したってことっ。私にちょっかい出す不逞の輩から、私の許嫁いいなづけに身分が上がっちゃったのよっ」
「許嫁って、おまっ、何だそれ!」
「昼に結香から彩神さんに電話させたんだが、それなら彩萌ちゃんに婿をもらうから、神作はうちにくれると言ってくれたそうだ」
 そこまで話進めたのかよ、母さんも何考えてんだか。あの人天然だからなぁ。
「で、それを電話で話したら、彩萌ちゃん拗ねちゃったのよねぇ」
「スネてないし」
 ああ、それで機嫌が悪そうだったのか、婿取りって決められたからかな。オレだって猫の子みたいにくれるとか決められても困るんだが。
「ともあれ、目出度い。萌作はいいやつだが、どうも小説家というのが軟弱に見えていたのでな。神作は桃香にいかがわしいことばかりしていたし。だが今日のことで見直したというわけだ。なにしろ、まだ凶器を持った犯人が近くにいるかも知れんというのに、大声で指示を出したり、救命措置をしているのだからな、かなりの度胸がないとできないことだ」
「そ、そうです、ね」
 わ、忘れてたぁ! 
 そうだよ、犯人が凶器持ってたかもしれないじゃないか。今になって恐怖がこみ上げて来た。
 その後、上機嫌な親父さんと結香さん、テレてばかりの桃香とまだ拗ねている彩萌、色んなことにビビりまくっているオレの食事が続いた。
 
 翌日曜は朝からうちに入り浸って読書をする桃香である。彩萌もオレの部屋で何やらやっていた。
「彩萌、お前のノーパソなんだから、持って来てやったらどうだ?」
「いいの?」
「いいよ、ってか、パソコンないと不便だろう」
 そう言われてすぐにパソコンを取りに行く彩萌である。
「桃香は結構進んだか?」
「ちょうど終わったわ、やっぱりハッピーエンドっていいねっ」
「だな。オレはハッピーエンド主義だから凄く分かるよ」
「あ、神作のハッピーエンドって、私と結婚することだからっ。それ以外は全部デッドエンドだと思うよっ」
 楽しそうにデッドエンドだって言われてるし。
「な、何でそうなる!」
「パパがそう言ってたからっ」
 それって殺人予告だよな。通報しなきゃ。
 彩萌がパソコンを持って来た。ネットは無線LANだから、移動しても簡単に繋がる。
「お兄ちゃん、電源ちょうだい」
「おう、こっちよこせ」
 小さいテーブルをノートパソコンが占領した。マウスを別に着けているのは当然として、キーボードも別のを着けるからかなり場所を取るのである。
「どんなの書いてんだ、彩萌は?」
「今考えてるのは、兄が幼なじみの許嫁にされたのを妹が阻止して奪回するシーン」
「そう、か」
 実際に身の回りであったことや体験したことをモチーフにするのは悪くないことだろう。なにしろ事実なのだから描写もしやすいし、説得力が違う。ただ、それが面白いかどうかは別問題だが。
「何だったら奪回できると思う?」
「何だったらって?」
「彩萌はさぁ、やっぱ妹の愛の力だと思うんだよね、それとも体かな?」
 愛はともかく、体って何だよ。
「どっちも違うだろ、兄妹だって設定なら。大体、何で奪回しなきゃいけないんだ?」
「そんなの妹が兄を好きだからに決まってるじゃない」
「普通は祝福しないか?」
「ふざけないで!」
 どうしてふざけてることになるんだ?
「まあ、お前の物語なんだから、お前の思う通りにやってみな」
「分かった、やってみる」
 何やら決意めいた表情なのが気になるが、それだけ小説に打ち込んでいるんだろう。
「ねえ、この次って、前に言ってた小説を読めばいいのっ? 宇能先生だっけ?」
 待て、あれを読んで桃香が欲情でもしたらどうなる? オレは断る意思の強さなんてないから流されて終わりだぞ。そうなれば結婚に確定マークが付くかもしれない。幼なじみが許嫁になって、結局破談になった作品とかなかったか? あるかもしれない。けどハッピーエンド主義だから、そういうの知らないんだよな。
「こっち、かな」
 前に勧めた中で、とりあえず妹と幼なじみが修羅場らない方を指し出すオレだった。
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