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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第5章-Page52
「でぇ? 何か言うことはあるわけぇ?」
 正座である。
 ラノベ部メンバーが一列に並び、正座させられていた。
 その前を左右に行ったり来たりしている鬼軍曹がいる。いつ作ったのか、厚紙の本格ハリセンを手にパンパン叩きながら。
「これは体罰なんかじゃないから、日本式の礼儀なんだからね」
「あのさ軍曹、オレ大変なことがあって、すっかり忘れてたんだ」
「軍曹って何よ? あんたのことは新聞で読んだわ、でも、それはそれ、これはこれよ」
「あーしは国の公務で、忙しかったんス」
「ウチは旅館に団体さんが来て手伝うてたんよ」
「拙者は溜まった作品鑑賞に追われていたでござる」
「ボクは女の子力アップのために可愛い女の子のビデオを見まくってたし」
「だから何? まさか言い訳?」
「私は急に神作と許嫁になったから、宿題をすっかり忘れちゃってて」
「な、何ですってぇ!」
 みんな驚いているが、言音は尋常ではない驚きようだった。
「こんなことしてる場合じゃないわ、みんな席に着いて!」
 言われるままに痺れた足を引きずって席に着いた。
「じゃあ対策会議よ、どうしたらいいと思う?」
「何のだよ」
「あんたが許嫁から解放されるための対策に決まってるでしょ!」
「お前には関係ないだろ、しかも何で本人がいるのに対策会議なんてするんだ」
 江口の時といい、本人参加型対策会議って何だよ。
「あんたはいいわけ? 許嫁とか決められちゃって」
「親同士で決めるのが許嫁だろ、本人が認めたわけじゃないし、日本の法律じゃ本人の意思がなければ結婚はできないんだよ。許嫁なんて親の遊びだって」
「あの、私はお兄さまに他に愛する女性がいることを桃香先輩のお父さまにお話して、諦めていただくといいと思います。私とお兄さまはいずれ結ばれる運命ですから」
「なるほどね、あたしの生涯の伴侶だって分からせればいいわけね」
「あーしの后に迎えてもいいっスけど」
「ウチの旅館の跡継ぎでもええよ」
「ボクも、がんばってみる」
「待ってよ、みんな! 私と神作は結婚するって決めたんだから、親とかじゃなくて、私もそう決めたんだから!」
「おい、オレの気持ちは!」
「はぁあ? まさかイヤだっていうのっ?」
「それが言えたら命知らずっス」
「骨は拾ってやるでござるよ」
 そんな声にめげることなく、オレは声高らかに言い放つ。
「イヤとかまで言わないけど、まだ誰と結婚するとか決められないよ。オレの高校生活はまだ始まったばかりなんだから!」
「打ち切りっス、打ち切りの常套句っス」
「高校生活まで打ち切りちゃうんだ、ボクのため?」
「お前のためじゃねぇよ、江口! っていうか、高校生活は打ち切らねえ!」
「私のこと好きって言ったくせにっ」
「待った、神作、あたしのことも好きよね!」
「前のような部活やってくれるならな、今みたいな強要されるなら嫌いだし、部活も考えなきゃならなくなる」
「そ、そんなぁ、神作のためにやってるのに」
 いつになく気弱な声になる言音だが、あれが何でオレのためになるのか不思議だ。
「どこがだよ、協力しないとは言わないけど、強制されたりするのは良くないないだろ。それと、まずアイディアを考えろよ、後からトリック考えたんじゃ大変なの当たり前だ」
「分かった、考え直すわ」
「とにかく、みんな好きだけど、友達としてだからな、オレが愛しているのはラノベだけだ」
「それって、ラノベはオレの嫁ってことっスか?」
「キモっ、二次元嫁やて」
「聞き捨てならぬでござるな、二次元に嫁を求めてどこが悪いでござるか」
「冗談やん、都筑は許嫁もいてて結構モテるから。あんたはマジやろうけど」
 阿波の眼鏡の奥に光るものが流れた。
「みんな悪かったわね、通常通り、ミーティングしましょ」
 いつもの部活が復活したようだ。よかった。
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