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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第5章-Page53
「で、ゴールデンウィークというのがもうじきあるわね」
 カレンダーで確認すると、三日が金曜で五日が日曜だから四連休だな。
「でもまあ、合宿には三泊四日でも十分だわ」
「「「合宿!?」」」
「どこか、そんな遠くなくてもいいから、カンヅメになって作品を書くのよ、人気作家っぽくね。そうねぇ、温泉旅館なんか、明治の文豪っぽくていいかも」
 あからさまという言葉が脳裏に浮かぶ。なぜなら、言音は温泉旅館と言いながら雪華を見ていたから。
「あんたたち温泉行ったでしょ? 入ったでしょ? 楽しかったでしょ!」
「ちょっと恥ずかしかったけどっ」
「何があったのよ」
「都筑サン、立派だったっス」
「目の前で見てもうたからな」
「いったい何を見たのよ、神作、私にも見せなさい!」
「ダメに決まってんだろ! にしても、合宿って費用はどうすんだよ」
「安いところなら、部費で行けるから、まあ交通費くらいは自己負担になるけど」
 やっぱり雪華を見ながら話す琴音だった。
「分かったちゅうの、とにかくお父さんに聞いてみるわ」
「当然だけど、あんたの分はタダよね」
「のぅあっ、セコいでござる」
「金持ちほどケチって本当ね」
「お姉さまったら、そんなあからさまに」
「部費があんまりないのよ、仕方ないでしょ」
 わざわざ部室を出て電話を掛けに行く雪華だった。
「できれば二部屋欲しいけど、この際だから一部屋でもいいわね」
「拙者、女子と寝泊まりは初めてでござるよ」
「あんたは廊下よ」
「なあ言音、あんまり阿波をいじめるなよ、冗談でも可哀想だろ」
「冗談? マジなんだけど」
 助け舟のつもりだったんだが、魚雷になってしまった。
 雪華が戻って来たが、浮かない顔をしている。ゴールデンウィークに急に泊めろというのが度台ムリな話だもんな。
「あのな、使こてへん古い離れがあるんよ。温泉も付いてるし、食事は自分らで用意して、そこに泊まるならひとり千円でええて」
「何で浮かない顔っスか?」
「出るんよ」
 手首を前にぶらんと垂らしている雪華である。
「出るって、まさかアレが出ちゃうんですか?」
 言理は妙な言い方をしているが、認めたくない事実だからかもしれない。
「ぶっちゃけ、幽霊、なんやけどな、なんも着てへんべっぴんなんやて」
「それなら是非に出て欲しいものでござるな」
「けど、取り憑かれるとアホんなって、エロいことしか考えれんようになるらしいんや」
「それが今とどう違うのか教えて欲しいでござるよ」
 自分で言うな、悲しくなるから。
「あっ、変わらへんか」
「超常現象の探求もコアラ部の課題よ! 謎を解明しましょう」
「いつからそうなった!」
 オレの言葉を完全無視して、言音は宣言した。
「じゃあ、三日出発、三泊四日の合宿だから、そのつもりでね」
 オレ、幽霊ダメなんだよな、まだ宇宙人とか吸血鬼の方がいいんだが。
 
 楽しみはなかなかやって来ず、嫌なことはすぐに来たりする。
 ということで、合宿に出発する日になった。
 彩萌はひとりだと不用心なので、オレがいない間、桃香の部屋に寝泊まりさせてもらうことになっている。これは親父さんの提案で、結香さんも大歓迎だと言ってくれたそうだ。
 どうせ行くのだからと、九鬼宮姉妹に二人、円美に二人乗せてもらうことになっていて、うちには九鬼宮車がオレと桃香を迎えに来てくれることになっていた。
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