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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第5章-Page56
 みんなが温泉から上がってくると、フスマを取っ払って二間続きにした。寝るときや着替えるときは閉めるという。
 食材は用意してあるので、ばたばたと飯を作って食った。雪華と桃香は料理ができるが、円美はまるでダメで、言音と言理は餃子以外はほとんど作ったことがないそうだ。
 食後は食休みが宣言された。まあ、『親が死んでもじき休み』ということわざがあるくらいだから反対ではないが、合宿に来て半日経つのに、まだ温泉に入って昼飯を食っただけだ。合宿っぽいことはひとつもやってない。
 三時を回る頃まで休んだかと思ったら、ティータイムである。クッキーをつまみ、優雅なひとときを過ごす。シエスタかよ。シエスタを昼寝だと思っている人もいるだろうが、日差しが強く暑い昼の外出を避ける長い昼休みであって、長いから寝る人もいるというだけである。
「じゃあ、ここから新たな気持ちでプロットを考えて! 合宿中にある程度完成させるわよ」
 と、お茶が終わるなり、いきなりスパルタ合宿が始まった。パソコンなんて用意してないので、必然的に手書きだ。紙を渡され、さあ書けと言われても、すぐに書けるものではない。
 さて、どうしよう。まあ、オレの場合、ラブコメかエロコメでハーレムエンドは確定しているので、考える必要がないから楽といえば楽なのだが。
 よくあるパターンだと主人公のところに美少女が転がり込むことから始まるよな。魔王、悪魔、ゾンビ、キツネやネコ、飲料缶なんてのまであった。要は何でもいいから『驚くほどの美少女』が出てくれば問題ない。つまり、何から美少女が出てくるかだけ考えればいいのだ。
 よし、種にしよう。種を植えたら美少女が出てくることにする。もしかすると、既にあるかもしれないが、オレが知らないからいいや。こういうワンアイディアが被っても仕方ないことなのだが、あんまり有名な作品だとパクりと言われるかもしれない。未来から子孫やその代理が来るとかはいいが、それが猫型ロボットだったりするとマズいだろう。
 
 主人公は野菜も食べなければとカイワレの種を買いに行く。
 カイワレはダイコンの種が発芽して少し育ったものだ。作り方は簡単で、ティッシュに水を含ませ、平らなパットなどに入れて、暗いところに置くだけ。ある程度伸びてから半日ほど日光に当てて緑色にするのである。
 カイワレを育てようと、バットにティッシュを敷き水を入れて種を撒いて、押し入れ
 の中に入れて置いたらガタガタ音がした。
 不思議に思った主人公が中を見てみると、裸の女の子がいる。
 真っ白な体で、髪は緑色だった。
 しかも、驚くほどの美少女である。

 
 ほら、できた。
 弱点とか好物があるのもいいな。太陽光線は大好きだが、水分を二時間摂らないと弱るし、塩は吸血鬼のにんにくのように苦手にしていて、『おろす』という言葉が嫌いだ。
 動物にとっての卵と同様に、ある程度まではそれだけで育つのだから。ならば種を好物にすればいいかもしれない。ひまわりやカボチャの種が好きで『お前はハムスターか』と主人公に言わせるとか。
 そうなると、他にも根菜で統一したいところだよな。ニンジン、カブ、ゴボウあたりか。
 もしかしてと思った主人公は他の種も撒いてみる。ニンジンからは褐色の肌の女の子が、カブからは色白だがちっこい少女が、ゴボウからは黒い肌の女の子が出てくる。
 よし、ポイントだけメモしてくか。
 さて、展開については……
「夕食の準備よ、昼食は女子が作ったから、男子が作りに行って」
 昼食はオレも手伝ったし、言音は何もしていないのだが、まあいいか。
 男三人は作業を中断して厨房に向かった。気心も料理の実力も知っているし、男だけの方が楽かもしれない。
 簡単なカレーに決めると手分けして作って夕食になった。
「美味いっス」
「神作のカレーの味だ、久しぶりだねっ」
「なるほど、ああやると肉が軟らかくなるのでござるな」
「煮るのに時間差を作るだけだけどな」
「神作、今度あたしに教えなさい」
 カレーライスで腹一杯になった後は、また食休みだという。単なる食い過ぎな気もする。
「なあ、雪華、どういう時に幽霊が出るんだ?」
「あ、やっと聞いたね、どうして聞かへんのやろって思てたわ」
「いや、多分、聞いたらそれをやると言うやつがいるせいだと思うが」
 当人を見ると、睨み返された。
「幽霊は男にしか出えへんのよ。それもひとりで温泉に入ってるときに現れるて」
「じゃあ、男子はひとりずつ温泉に入って、他の人は見張りよ」
「ほら、な」
「ほんまや」
 部長命令で、まず阿波が入ることになった。
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