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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第5章-Page63
「よし、阿波、背中を流してやろう。上がってそこに座れ」
「これはかたじけない」
「では、ワレが都筑の背中を流そうではないか」
「わたしもシンサクの背中を流します」
 背中を江口とレヴォナで流してくれるのはいいが、レヴォナは何か極めて柔らかいモノで擦っているのだ。オレはすぐにそれがおっぱいだと分かった。さらにヤバい。
「よし、石鹸を流してくれ、江口。オレは上がる」
 オレは逃げるように脱衣所に向かった。
 
 部屋に戻ると既に食事の準備が整っていた。餃子とご飯と味噌汁だけだが十分だ。シリアルだけに比べたら完全に食事のていしている。中国では餃子でご飯は食べないらしいが、日本ではおかずだからな。恐らく、お好み焼きでご飯を食べるより認知されていることだろう。ちなみに、オレは関西人ではないが、お好み焼きでご飯を食べることも普通にする。
 既に席に着いていた円美の隣に座った。聞きたいことがあったからだ。
「なあ、円美、お前が言ってた、カ・リナ=メッスだっけ、それって何だ?」
「カ・リナ=メッサっス。いわゆるサキュバスとほとんど同じっス」
「なんだ、そうか、ならいいや」
 何かヒントになるかと思ったら、単に言葉の違いだけだったようだ。
「『カ』は女性の冠詞で、男性の場合は『ク』に変わるっス」
「ってことは、インキュバスの方はク・リナ――あっぶねっ、何てこと言わすんだ」
「アレシタッス語っスよ、失礼っスね」
「いや、ごめん、そういう意味じゃないんだ。お前は言えるのかよ」
「ク・リナ=メッサ……日本人には発音しづらいかもっス」
 ちょっと赤くなる円美だった。
「だろ?」
「で、一緒にいるその人がカ・リナ=メッサっスか?」
 円美は確かにレヴォナの方を見て言っている。
「え? お前、見えるのか?」
「当然ス。王家の血を舐めるなっス」
「んなもん舐める気はないが、いつから見えてた」
「風呂上がりからっス。一緒に入って来たからお客さんかと思ってたっス」
「他に見えてるやつはいるのか?」
「多分いないっスね。見えてたら、部長サンとかトーカが大騒ぎになるっスよ」
「だな。これは秘密だ、いいな円美」
 オレは口元に人差し指を当てながら円美を見つめた。けど、実は凄く安心したんだ。精霊だなんて、もしかしたら、オレの頭がおかしくなったのかもしれないと思っていたから。
「了解っス」
「それとレヴォナはサキュバスじゃなくて、精霊らしい」
「レヴォナってその人の名前っスか」
「ああ、オレが名付けた」
「名前とか付けると情が湧いて、捨てづらくなるっスよ」
「ペットかよ!」
 レヴォナって前からいたようなこと言ってたよな。
「なあ、レヴォナはいつからオレの傍にいたんだ?」
「結構前からですよ? 可愛い精霊希望って言ってたじゃないですか」
「あんときのが叶ったのか!? くそ! 金が欲しいって願っとけばよかった」
「精霊って、何の精霊なんスか?」
「言葉とか物語とか、そういう精霊です。言葉の精というと分かりやすいかも」
 たまたまノヴェルから名付けたが、そういうのに関係してたんだな。いや、こういう言葉の選択をさせる能力があるのかもしれない。
「レヴォナがいるとオレに何かいいことがあるのか? 有名な小説家にはみんな精霊が就いてるみたいなこと言ってたが」
「そうですよ。言葉の精として、何か問いかけてもらえば、選択肢を示すことができます」
「例えば?」
たたくがいいか、たたくがいいかとかです」
推敲すいこうか? 金の斧、銀の斧かよ」
「精霊ってそういうものですから。正直者なら全部もらえますし」
「全部もらったら選択じゃないっス」
「それからお望みのコスになってポーズも取れますよ。見ながら描写できます」
「絵師んとこ行けよ! きっと喜ばれるぞ」
「極めつけは、書いた作品を読んで忌憚きたんなく批評してあげられます」
「編集者かよ!」
 あんまり便利機能はなさそうだな。
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