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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第6章-Page68
 男たちの後ろのドアを開ける。
 と、その八畳くらいの部屋に彩萌がいた!
 ガムテープで口を塞がれ、椅子に座らされ後ろでに手を縛られているが、着衣の乱れもなく、意識もしっかりしているようだ。
 よ、良かったぁ。
 傍らにはレヴォナがいて、言いつけ通り守っていてくれていた。
 ――ありがとな、レヴォナ。
「大丈夫か、彩萌!」
 すぐにガムテープを剥がしてやる。ただし、痛くないように、傷つけないように慎重にだ。可愛い唇が傷むなど許せないからな。
「お、兄ちゃん、怖かったよぉ」
 オレを見て安心したのか、そう言うと彩萌は泣き出してしまった。ロープをほどこうとするのだが、硬く縛ってあってムリだ。倒れている男の傍に落ちていたナイフを拾い、ロープを切ってやる。
 彩萌は手首を撫でてからゆっくり立ち上がるとオレに抱きついてきた。
 オレも強く抱き締める。無事でよかった。
 妹だし、場合が場合なので、さすがにおっぱいが当たるなどは考えない。お、柔らかいな、程度である。
「もう大丈夫だ」
 彩萌は上目使いにじっと見てからこくんと頷いた。彩萌の頭を撫でてやると、こつんと頭をオレの胸に当ててきた。
「そりゃどうかなぁ?」
 若い、少し高い男の声がした。
 声の方を振り向くと、男が拳銃を構えて立っている。ラフな服装で、不良か、ヤクザでも下っ端という感じだ。
 その男が手に持っている拳銃はオートマチックで、コッキングされている。つまり撃鉄が起きていて、ほんの少し引き金を引けば発砲できる状態であり、かなり危ない。
「武器を捨てろぉ」
 それに屈っすることなく阿波が攻撃に出ようとした瞬間、別の、ドスの効いた声がした。
「おっと、動くんじゃねえ、こいつの命が惜しいならな」
 最初の男の後ろからもうひとり男が現れたのだが、江口をかかえるように捕まえていて、頬に拳銃を突きつけている。そいつはスーツ姿で、いかにもヤクザという風体だ。
 こっちの拳銃はリボルバーでコッキングされていないから少しだけマシだろう。ここで拳銃について語りたいところだが、そんな余裕はなさそうである。
「ごめん、捕まっちゃった」
「黙ってろ、姉ちゃん」
 スーツの男は、どうやら江口を女だと思っているようで、そのためか、その男の手は江口の胸に置かれていた。男って悲しいな。
 そのやり取りを聞いた阿波はすぐに木刀をほおった。安物らしいカランという音が響く。
「人質を取るとは卑怯でござる」
「お前らは何者だ! なぜ彩萌をさらった!」
「ヤツへの復讐さ、そいつの父親のせいで臭い飯は食わされるわ、厄介もんは子供を連れて逃げるわ、散々な目に遭わされたからな」
 スーツの男は吐き捨てるように言った。厄介もんというのはヤクザ言葉で奥さんのことだ。
 父さんが? いや、口ぶりからすると桃香の親父さんのことか。彩萌と桃香を間違えたのかもしれない。
「そうか、お前ら親父さんへ逆恨みしてこんなことを」
「おっと、そんなこと教えてやる義理はなかったな。まあ、ここまでは冥土の土産ってことにしといてやろう」
 口元を歪ませて男は楽しそうにそう言うと、今度はドスを効かせて言った。
「で、お前、その娘の名前を知ってたな、お前こそ何者だ」
 一度は言ってみたかった言葉がある。折角のシチュだ、言っちゃうぞ。
 
「ボンド、ジェィムズ・ボンド」
 
「てっめぇ! よっぽど死にたいようだな!」
 激昂してこっちに銃口を向けてくれるかと思ったが、江口から離してはくれなかった。
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