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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第6章-Page70
 ほどなく、パトカーのサイレンが近づいてくるのが聞こえてきた。
 ――レヴォナ、無事に解決したのもお前のおかげだ。急に言ったのにペンを上手く挿し込んでくれたし、ありがとな。
「えっと、ごめんなさい。突然過ぎて何もできませんでした」
 マジか!?
 あれ、入ってなければエライことになってたぞ。
 今になって背筋に冷たいものが流れてきたオレだった。
 
「重傷者七人、軽傷が四人、お前ら何者だ?」
 桃香の親父さんは感心というより呆れた感じで言った。
「コミック、アニメ、ラノベを愛する者よ」
 言音は自信満々に答えた。いや、それもどうなんだろう?
 その後、誰とは言わないが、事情聴取で警察署に行くのに、マイクロバスでの移動を拒否して、パトカーに嬉々として乗り込み、あまつさえカツ丼を要求するヤツがいた。まあ、おかげでオレたちもカツ丼にありつけたのだけれど。
 二時間ほどで全員の聴取が終わったが、こんなことがあったのでどうなるかと思ったら、言音は合宿を続けるという。
 ひとりにはしたくないから彩萌も一緒だ。
 怖かっただろうと彩萌にみんなが優しくしてくれている。
 言音の提案で、みんなで温泉に入った。もちろん湯文字着用である。阿波は湯文字をふんどしのように着けていたが、サムライだから仕方ないと、追い出されることはなかった。阿波の株も上がったものである。
 寝るのに彩萌は男部屋の方を望んだ。奥から彩萌、オレ、江口、阿波。こいつら、エロいことは計り知れないが、彩萌に何かすることは絶対にない。彩萌もそれが分かっているから、こっちを望んだのだろう。守られているという安心感があるしな。
「お兄ちゃん、もう寝た?」
「いや、何だ?」
「助けに来てくれてありがと、嬉しかったよ」
「礼なら阿波に言っておけ、あいつがいなければムリだったからな」
「おじちゃんもそう言ってた。絶対警官にするんだって言ってたし」
「警察署で会う人会う人、みんなかなり本気だもんな。親父さんなんてそのうち、桃香の婿にするとか言い出すんじゃないか?」
「あ、それいい! そうなればお兄ちゃんの許嫁ってのもなくなるし」
「けど、阿波は結構桃香を苦手にしてんだよなぁ」
「でさ、もうひとり、ずっといてくれてた女の子って誰? 幽霊みたいに壁の中から出たり入ったりしてたけど」
「お前、見えてたのか。ありゃ精霊らしい。そこにいるのも見えてるのか?」
「うん、ずっと天上に張り付いてこっち見てるから寝れなくて」
「だな。あんなのがいたら、普通寝れっこないよな」
 目が合うとにっこり微笑んで手を振るレヴォナだった。
「手ぇ繋いでいい?」
「ああ、眠れるまで繋いでてやるよ」
 手を繋いで安心したのか、少しすると寝息が聞こえてきた。
 おやすみ、彩萌。
 
 翌日、とにかく書けという言音である。
 なぜか、アイアンメイデンという言葉が浮かんだ。
 レヴォナと相談しながらイベントをまとめて行く。ひとりで書くより、相談やアドバイスがあるのはいいことだ。担当編集者次第で潰されたり伸びたりするらしいが、レヴォナは優秀な編集者ということだろう。
 イベント的にはかなりステレオタイプになったが、期待通りというのもいいものだ。
 アニメ班の江口と円美は短編の絵コンテを、コミック班の阿波と雪華は十六ページ読み切りのネームをそれぞれ二本完成させていた。小説班の言音と言理は短編を書き上げ、桃香は長編の途中までを書いていて、オレはプロットだけだった。
 午後のティータイムを終えると、合宿終了である。
 帰りは円美に家まで送ってもらい、じゃあなと別れを告げて、車を降りた。
 まではよかったのだが……
 オレたちは呆然と家の前に立ち尽くしていた。
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