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Update 2015-02-28

コアラブ!




俺と巫女と和の神




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コアラブ!-第6章-Page72
「お前がラノベを書き始めたのでどんなのか見てみたら面白そうだったからな、これだったら俺にも書けるだろうと思って、知り合いの編集に言ったら是非にと言われたんだ」
「そりゃ、野間仁は元から小説家だったんだから、素人ワナビとは訳が違うだろ」
「私もジュブナイルも翻訳してたから、書いてみたらほとんど同じだったのよね」
「ラノベってジュブナイルだからな。というか、何で黙ってたんだよ」
「お前が母さんに聞きたくないと言ったそうだぞ?」
「そうよ、神作に、父さんと母さんがどんなことしてるか聞きたいかって言ったら、聞きたくないって言ったじゃない」
「ん? そんな覚えは……あんときか! テレビで映画のすっごいベッドシーンやってて、親の前でこんなの見てどうすんだって思ってた時、母さんが意味深に言って来たやつだな! なら、ちょっとはタイミングを選べよ、勘違いしたじゃないか!」
「ねぇ、シンサク、何を勘違いしたんですか?」
 ――レヴォナは大人しくしてろ、訳分かんなくなるから。
 天然過ぎるから、こういう勘違いなんていつものことなのだ。あれでラノベが書けるんだから大したもんだよな。もっとも主人公の女の子は天然で、不条理ギャグ満載なんだが、それがウケてたりするから分からないものである。
 その後も、母さんの天然ボケをツッコみつつ、旅行や小説についての話を聞いた。出稿はメールでもできるから旅をしていても問題ないらしい。息子や娘のことはいいのだろうか?
 当たり前だけど、結香さんもうちの両親が小説家だって知ってた。思い起こせば、親父さんも父さんが小説家だとも取れること言ってたな、そういえば。あの時は変だと思って、直後に許嫁だって言われたからすっかり忘れていたんだが。
 オレが野間仁の『極悶島』と杏葉希の『わたしの彼は18センチ』を買って読んだと言うと、持って来させ、それぞれにサインをした。こうやるのが夢だったんだそうだ。
 そんなことをしているうちに夕方である。父さんたちが久しぶりに帰ってきているということで、どんちゃん騒ぎの二家族合同の夕食となり、それは遅くまで続いた。
 寝る前に、気になって『Levona』に何か意味があるかネットで検索してみると、地名とか樹脂にそういうのがあった。樹脂はボスウェリア属とやらから取れるもので、日本名は乳香である。出エジプト記にも出てきたり、キリスト生誕時に三賢人が送った三つの贈り物のひとつで、由緒正しい神に捧げる神聖な香だ。オマーンが主な生産国らしい。オマーンの乳香、何となく覚えやすい。
「レヴォナ、お前、乳香だって」
「知ってますよ、言葉の精ですから」
「辞書機能があるのか、ちょっと便利かも。それと寝るときはその中入っとけ」
「押し入れ、ですか? 分かりました」
 やっぱ人外の居候は押し入れじゃないとな。
 
 それからの部活は、部室ではなくオレんちだった。彩萌も特別に参加している。
 言音と言理が、父さんに会いたがったこともあるし、円美も会いたがっていたからだ。父さんたちがアレシタッスに招待されたのだって、円美が何か国王に言ったかららしい。
 で、何をしているかというと、小説というものを再度、一から父さんたちに教えてもらっているのである。それほどオレが言ったのと違わないと自分では思うが、本物の作家が言う何気ない一言は結構勉強になった。母さんの話の方はというと、天然ボケとは何かを再確認させられただけだった気もするが。
 
 そんな一週間が過ぎた土曜日、みんなが朝からとある空港に集まっていた。
 父さんたちがアレシタッスに国王専用機で発つからだ。普通は招聘しょうへいといっても、チャーター便までなのだが、円美からの口添えで国王専用機を出してきたのだという。
「出発まで飛行機の中を見て回るっス、多分、勉強になるっスよ」
 父さんたちは税関と出国手続きをしてから乗り込むのだが、オレたちは出国しないからそのまま黒塗りで飛行機まで直行である。
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