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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-1 巫女子に男子-Page8
「みなさんが祓えるのは強度二程度まででしょう。通常の巫女では強度三まで祓えますが、今まではそれで十分でした。なぜだと思いますか?」
 声をあげる者はいなかった。
「強い悪鬼ほど強い神力に惹かれます。既に分かっている人もいるでしょうが、新上君に惹かれて来てしまうのです。強度四以上の殆どが新上君に惹かれてしまうため、彼以外のところには滅多に出現しないからです。それはここ十五年ほどのことですから、三十歳前の祓魔師では強度三までしかいないと思ってしまうほどでした」
 普通に考えれば迷惑な話だろう。義也さえいなければその心配も、祓魔の必要もないのだから。しかし、誰もそうは言わなかったし、思わなかった。義也についての神託をそれぞれが得ていたからである。
 学園長は神学の教師をちらりと見ると続けた。
「ただ、今後は彼の傍にあなたたちがいる。まだなぜ彼を守らねばならないかは話せませんが、一緒に戦って欲しいのです。自分の身を守るという意味でもありますし、これは将来のためにもきっと役立ちます。やってくれますね!」
 再び全員から「はい!」という声があがる。
「よろしい。さて、みなさんの中で安倍さんは祓魔の能力が特に高いのですが、彼女でもまだ強度四程度までが限界でしょう。ここからが本題なのですが……新上君には特別な力があります。秘密にするように言ってあったのですが、この際そうも言っていられなくなりました。彼は、力を譲渡できるのです。実際は譲り渡すのではなく、力を使うための道を示すのですが、それは観念的なものなので、力をもらえると思った方が分かり易いでしょう。その方法や強さもいくつかありますが、今のところは、第一段階の方法のみを許可します。みなさんはそれによって力を譲り受け、悪鬼に対処してください。新上君、いいですね」
「はい、慰撫いぶによる祝福、ですね」
「ええ、説明するよりやってみせましょうか、安倍さんと新上君はこちらへ」
 学園長に呼ばれて壇上に並ぶふたり。
「ではやってみてください」
 何をされるのかと緊張するマリアである。慰撫と愛撫を混同していたせいかもしれない。
 義也は手を上げると、ポンとマリアの頭に乗せて軽く撫でた。
 あっけにとられるマリアとクラスメイトたち。
「では、行きますよ、準備してください」
 学園長はマリアにそう言うと、おもむろに悪鬼を呼ぶ装置を動かす。ブーンという音が出始めると、先ほどと同じように黒い霧が集まり、人のような形になっていく。かなり強い揺れが起きていた。
「今です、安倍さん!」
「は、はい」
 学園長に言われ、マリアは焦りつつも祓魔の祈りに入り、「えぃ」と右手を差し出した。その瞬間、強い光が放たれ、ドンという音がして霧が消えた。祓魔に成功したのである。
 学園長は装置のスイッチを切ると、マリアに向かって言った。
「今のは強度五弱の悪鬼に対して、強度六弱ほどの祓魔でしたね。強すぎると相殺されず周囲に被害や霊障を及ぼすこともありますから、悪鬼を見極め、力も加減できるように練習しましょう」
「はい」
 肩をすくめるマリアだが、力がそれほどまで強くなっていることにも驚いてもいた。これは他のクラスメイトも同じである。強度六というのは高祓魔師ほどもの力を示しているのだから。
 終業のベルが鳴ったが、特別授業は終わらなかった。その後、全員が慰撫による祝福を受け、祓魔の実習が続いた。クラス全員が強度五程度にはなっていただろう。
 狩られる悪鬼にしてみればいい迷惑だったかもしれないが、哀れむ必要はもちろんない。
「週に一度は今の祝福を受けてください。今日が水曜ですから、毎週水曜でいいでしょう。それと今は祓魔を試しましたが、他の神通力も同様に向上していますから使用には十分注意するように。では終わります」
「起立、礼、『ありがとうございました』」
 かなり時間を超過したが、マリアの号令で特別授業は終わりになった。
「新上君は下校準備をして一緒に来てください」
 奈央深に呼ばれ、義也は急いで鞄を取ると、後に従った。
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