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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-2 迎賓館にて-Page11
 食事を終え、部屋にひとり戻ると、義也はテレビを点け、ソファーに座って見ていた。海外でのテロが横行しているというニュースが流れている。
 宗教的になんでもありの日本では考えられないことだが、海外では宗教によってテロに及ぶことがあり、あまつさえ同じ神をあがめながら、それにより敵対することすらあるのだ。
 義也は愚かしいことだと思った。
 あんたが神で良かったよと、義也は不遜な言葉で神に感謝した。
 その時、ノックもなしにドアが開くと、子供が部屋に飛び込んで来た。びっくりするくらい可愛いらしい、人形のようなツインテール少女である。
 その子はひらひらした薄水色のワンピースで仁王立ちになると、すがすがしいまでのツルペタな胸を張って、びしっと義也を指さした。
 小学六年生くらいだろうと義也は思った。
「お主が、新上義也か!」
「ん、お嬢ちゃんどうした?」
「ぶ、無礼者! わらわを誰と心得る。わらわこそ東宮が皇女、凪宮超子なるぞ!」
 妙な言葉使いで、見事なまでのアニメ声だった。
 東宮さまのご長女、凪宮さまは義也のひとつ年下だから高校一年生のはずである。
 ――どう見たって小学生だよな。
 怒りに震える少女に、義也は優しく言った。
「凪宮さまは高校生だろ? 君は小学生じゃないか?」
「い、言ったな、言ってはならないことを言ってしまったなー! 成敗じゃ!」
 少女は声を震わせそう言うと、激昂して殴りかかって来た。
 これには困った。悪鬼羅刹ならどうということもない義也だが、少女から身を守るすべは知らない。仕方がないので好きなようにさせるしかなかった。
 超子は飛びかかると、マウントポジションを取ってぽかぽかと殴ってくる。が、猫パンチなのでさほど痛くはない。それよりも義也の腰の上でぐりぐり動く、少女のおしりの方が義也には何らかのダメージになっていた。
 そこに飛び込んで来たのは、今日初めての男性だった。
「お止めください、ひぃさま。はしたのうございますぞ」
「じい、止めるでない。こやつを成敗せねばならぬのじゃ!」
 それでもじいと呼ばれた男性はぽこぽこ殴り続ける超子を止め、義也から降りるよう言ってくれた。
「お怪我はございませんかな、義也殿。ひぃさまは、いささか、発育を気にされておられまして、……ちいさいとか……ツルペタという単語に過敏な反応をされますゆえ、お気を付けいただければ幸いにございます」
 小さい、ツルペタという言葉は異様に小声になっていたのだが、それでもその単語にいちいち反応して、腕組みしながら男性を睨む超子であった。
「あなたは?」
「これは失礼いたしました。わたくしは江戸のお住まいでの侍従長をしております、徳川とくがわ喜綱のぶつなにございます」
 慇懃に喋るこの男性は将軍さまみたいな名前の侍従長だった。白髪交じりの侍従長は、見たところ五十代半ばくらいで執事という感じの人である。
「乙女が義也がおると言うから見に来てやったものを、いきなりツルペタとはなんじゃ」
 超子は腕組みをしたまま、怒りというより拗ねた感じで言った。
「言ってないですよ。それを言ったのは侍従長さんですから」
「嘘を申すでない。『すがすがしいまでのツルペタな胸』と思ったであろう」
「ゲッ、思ったことまで分かるんですか?」
「分からいでか。わらわを何と心得ておる」
「ひぃさまは人の心がお分かりになりますからな」
 侍従長の言葉は、微妙にニュアンスが違った。実際は直接心を読んでいるのではないのだが、傍から見るとそうとしか思えないのが超子の能力なのである。
 思ったことまで分かるのなら謝るしかないかと義也は思った。
「すいません、ちょっと思ってしまいました」
「うむ、以後気をつけよ。して、何が望みじゃ」
「え? 望みと言われますと?」
 いきなり望みを聞かれても何のことか分かる道理もなかった。
「ならばよい。じい、あれを」
「はは、ただいま」
 侍従長は何やらブルーレイディスクを取り出すと、勝手にデッキに入れて再生する。
 見たことのないアニメが映った。
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