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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-5 江戸御用邸の攻防-Page24
 やっと説教も終わり解放、いや、解散になって教室に戻ると、当然のように超子とおこが待っていた。
「今日は金曜だからの」
 開口一番、超子はそう言った。義也は悪い予感しかしなかった。
「金曜だと何かあるのか?」
「うむ、金曜は生徒会役員全員うちにお泊まりと決まっておるのじゃ」
「いつからそうなった?」
「今週からじゃ」
 ――今日決めやがったな。
 臆面もなく今週からだというのだから、超子はかなり素直な性格だと言わざるを得ないだろう。ただ、わがままではあるが。
 義也が帰り支度を急いで済ませ、超子に連れられて行くと、校門には真水湖と、彩香、奈菜が待っていた。
「お疲れ様です、真水湖先輩」
 義也の口から自然に出た言葉である。その真意を真水湖はくみ取った。
「いえ、私は毎週お手伝いに言ってましたから」
 外連味けれんみのない涼やかな声だった。
「侍女の、ですか?」
「はい。ゆくゆくはその方面でと思っていますし」
 叔父が侍従長なのだから、そういう道も当然あるのだろう。
 となると、被害者はこっちのふたりかと、義也は彩香と奈菜を見た。
「あたしらもしょっちゅうお泊まりに行ってるよね」
「ええ、全然迷惑とか思ってないですから」
 奈菜は言外に迷惑だと言っているようにも受け取れたが、聞いたところによると彼女たちはご学友とのことだった。ご学友を助さん格さんと呼ぶのもどうかと思う義也である。
「とにかく行くぞ」
 江戸御用邸は迎賓館の少し向こうにあり、それほど離れていない。
 隣接地内の移動なので警備もなかった。
 初日に義也に警備が付いた方が変だったのだが、あれは義也をひと目見ようと、神衛隊員が勝手に警護していただけだったのである。
 すたすた歩く超子のすぐ後ろを真水湖が歩き、その後ろにご学友のふたりが並び、義也は最後尾だ。
 一行がちょっとした小路に通りかかった時だった。
 木々のざわめきが増した。
 足下まで揺れている。
「な、何じゃ」
「ひぃさま、こちらへ! 彩香と奈菜はお守りして!」
「「はい!」」
 真水湖は超子を抱き支え、それを彩香と奈菜が守る。
 黒い霧のようなものが集りだした。
 義也はその超子たちをかばうように立ちはだかった。
「待て、義也。わらわがお主を守る立場なのじゃ」
「バカ言うなって、俺が超子を守ってやるから」
 う~と唸ると顔を赤らめる超子である。一生か、一生なのだな、などと超子は小声で言っているが、義也には聞こえなかった。
『お前の力をよこせ、大人しく喰われろ』
 低い男の声がした。
「わ、わらわか! わらわを狙ろうての狼藉ろうぜきじゃな!」
 超子がそう言うと、彩香と奈菜は、殿下じゃないのにと思った。しかし義也と真水湖は、超子が悪鬼が現れたことを義也のせいにしたくないと思い、自分を狙ったかのように言ったのだと理解していた。
 どこからともなく、しゅっと黒い腕が延びて来た。
 義也はそれに向かって右手を突き出すと光が放たれ、黒い腕のような霧は消し飛ばされる。しかし、本体はどこかに隠れているようで祓えた手応えはない。
 また延びて来た霧の腕を二本消すと、向こうから四本、それを消してもこちらからまた三本とキリがなかった。もっと力を上げれば何とかなるかもしれないが、それでは超子たちにも霊障が及びかねないだろう。
 どうするか義也が考えていると、目の前に影が入り込み、霧の腕を粉砕しだした。
「八鳥美歌、参上!」
 逆手に持った短刀で切りつけている美歌の姿は、どう見ても忍者だ。一応、上半身が白、頭巾とマスクも白で、下半身が緋色という巫女装束の配色を意識してはいたものの、形はきっちり忍者装束である。
 奮戦はしたが敵の腕の数は底知れず、ついに霧の腕を切り損ねると、美歌は地面に叩き付けられてしまった。
「ぐふっ、む、無念」
 すぐに義也は光を放ち、美歌を拘束している霧の腕を消し飛ばす。
「動けるか? 八鳥美歌! こっちへ来て超子を守ってくれ、俺が戦う!」
「ははっ!」
 義也の声に、瞬間移動かという俊敏さで次の瞬間には美歌が目の前に立っていた。
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