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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-5 江戸御用邸の攻防-Page28
 G討伐作戦遂行による金属音(剣戟?)や破砕音(銃撃?)の喧噪の中、ふたりは『よしやのへや』にいた。甘い、デレた雰囲気かというと、そんなものはもちろんない。
 そこには嬉々として、キャラやストーリーの説明をする超子がいた。
「で、この最終シーズンはちょっと毛色が違ってて、主人公の男の子が……」
「へぇ~」
「これは夢魔のツンデレで、これは雪女のヤンデレで、こっちは宇宙人の男の娘で……」
「ほぉ~」
「これって男装の女の子なんだけど、直に胸見られても気づかれないのよ、ありえなくない?」
「どうだろう?」
 他人のツルペタを揶揄やゆする権利が超子にあるのかはさておく。
 それにしても、超子の演じるキャラクターの殆どがツルペタなのは、偶然の産物か神のいたずらか。義也に分かったことは、超子の喋りがやはり普通になっていることで、いつもは何かを演じているのだということだった。
 しばらく超子の話を聞いていると、侍従長が迎えに来て真水湖と休むようにと連れて帰ってくれた。
 義也は「やっと眠れる」と言うと、すぐに深い眠りへと落ちていった。
 
 朝、義也は目が覚めると、眠っていたままの、右腕を目の上に乗せた格好で微動だにせず言った。
「八鳥美歌、Gはどうなった」
「ご下命通り退治いたしました」
「そうか」
 義也は、それから伸びをして、あくびをかみ殺すと、ベッドを出た。
 もうそこに美歌の姿はない。
「もう……慣れてしまった自分が嫌になるな」
 義也は独りごちた。
 ふと、試してみるかという気になると虚空に向かって話しかける。
「なあ、八鳥美歌先輩っていくつなんだ?」
 返事はない。
「いないのか、先輩って結構可愛いから困るよな」
「そそそ、そのようなことを突然告られましても!」
「あ、やっぱいるんだ」
 まさか四六時中いる訳じゃないだろう、飯だって食うだろうしと義也は思った。
「なあ先輩、朝飯は」
「は、ただいま」
 いや、朝飯が食いたいとかじゃないのだが、人の話を最後まで聞かない人だなと義也は思った。
 二十分ほど後、超子と、朝食をサービスワゴンで運ぶ真水湖が『よしやのへや』にいた。
「ベッドで食べるとは良い考えじゃ」
 超子も一緒にベッドで食べるらしい。まだピンクの甚平のままである。
 土曜朝の子供向け番組を見せられつつ、久しぶりに米粒ではない朝食を食べる義也だった。
 しばらくすると準備があるからと超子は出て行った。
「十時にはスタジオ入りじゃぞ、遅れるでないぞ」
 見学が遅刻したって影響は皆無だろうと思うで義也ある。
 十時少し前、徳川侍従長が呼びに来たので、義也は否応なくスタジオに向かった。
 そこにはスタッフも当然いて、監督らしき人と超子たちは打ち合わせをしている。久しぶりに見る、複数の男性だった。
 しばらくすると、どうやらリハーサルが始まるようである。
 見ていた、いや聴いていた義也の感想は「プロって凄え!」だった。朝十など感じさせない演技に、義也の頬を感動の涙が伝っていた。止めどなく涙を流す義也を見てスタッフが気持ち悪がったが、そんなことは気にはならなかった。
 一話分が終わって休憩に入ると超子が呼んでくれ、お茶会に入れてもらえた。義也はどうにかして感動を伝えようと必死だった。
 休憩が終わり、次の打ち合わせを始めるというので義也が席を立つと、それを待っていたかのように、侍従長から学園長が来ているので寮に戻るようにと伝えられた。
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