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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-6 勉強のすすめ-Page29
「やっと来たね、年寄りを待たせるもんじゃないよ」
 義也が寮に戻って応接室に入るなり、待っていた学園長は文句を言った。
「はぁ、すみません。何かご用でしょうか」
「協定が結ばれたのを話しておきたくてね、まあ学園の感想も聴きたいし」
「協定?」
「不可侵協定だよ。やっこさんらはぬしを直接見て、考えを変えてきたようだ」
「えっと、話が見えないんですが」
「外国から来た五人の小娘どもさ。主を、正確には主の遺伝子を狙ってたんだが、やっこさんらも保護派に変わったということさね」
「そういえばそんなことを聞きましたが、一度に五人ってなんでなんですか?」
「高度に政治的な問題だからね、私でさえ断り切れない事情もあるってことだよ」
 ――また高度に政治的な問題か。
 実は、当該諸国からある条件が提示され、政治的判断から彼女たちを受け入れざるをえなくなったのだが、その条件とは国際連合の常任理事国入りの確約だったのだから、日本政府としては否も応もなかったのである。勘違いしてはいけないのは、これは相手方からの条件提示であり、それだけの価値が義也との接触にあると判断したということなのだ。
 しかし、事情を知らない義也は、そんな言葉で誤魔化されているとしか思えなかったのである。
「はあ」
「だから、そっちは国際交流くらいに思ってればいい。ただ、やっこさんらが個人的に主の遺伝子を直接欲しがっても私ゃ感知しないがね」
「はあ?」
「で、どうだい、転校して三日だが」
「教科が違うのが痛いですね。英語とか現国とかないし、まあ数学がないのはちょっとありがたいんですが、いきなりラテン語とかヘブライ語とかできませんよ」
「当然だろうさ、だから今まで転入はひとりもいなかったんだ。言っとくが、保護が目的だから成績はどうでもいいんだよ。留年してくれてた方が保護だってしやすいんだ」
「嫌ですよ、留年なんて」
「だったら勉強することだね、寮には担任だってクラスメイトだっているんだから、頼めば教えてくれるだろうさ」
「そうですね、とりあえずがんばります」
「じきに中間考査もあることだし」
「ゲッ」
「今からやったって遅いくらいだ、まあがんばりな」
 残って冷たくなった紅茶をぐぃっと飲むと、学園長は続けた。
「もっとも、主の力があれば楽勝なはずなんだがね、じゃ私ゃ帰るから」
 そういうと学園長は応接室を出て行った。
 ――そうだ、勉強しなきゃ!
 急に焦り出した義也である。
 本人は気づいていないが、これまで予習も復習もしていない。
 当たり前だ。
 それに充てるべき時間は『ひみつの姫巫女☆彡』鑑賞をしていたか、ペテロに会いに行っていたのだから。
 義也はまず、担任の奈央深に相談してみることにした。
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