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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-7 家庭教師-Page42
 超子は暇だったのだろう、彩香と奈菜を呼んでいた。
「「お邪魔してます」」
「あ、来てたのか、ゆっくりしてってくれ、じゃあな」
 教科書を取ると、義也はすぐに出て行った。
 その直後、彩香が席を立つ。
「ちょっとお花を摘みに行ってきます」
「ん、わざわざそんなことをせずとも頼めばよいではないか」
「いえ、これは人では意味がなくて」
「殿下、トイレです」
 奈菜がフォローした。
「なんじゃ、収録か、存分に出してまいれ」
 女同士なので遠慮会釈など微塵もなかった。収録は音入れ、つまりおトイレの意味で超子は使っていた。
 しばらく後、洗面所の方から超子を呼ぶ声がした。
「何これ!? 殿下、変なのがあります!」
 トイレから出て、彩香が叫んでいた。
「なんじゃ、そうぞうしいヤツめ」
「どうしたの? 彩香」
「これよ、これ!」
 ふたりが行ってみると、彩香が手にしていたのはハンガーで干されているトランクスだった。
「なんじゃ、これは?」
 超子の問いに、奈菜はさらりと答えた。
「トランクスでしょ、普通に」
「トランクスとな?」
「殿方のパンツです」
「もしや、義也のか!?
「まあ、先輩の部屋ですし男物ですから、まず間違いなく」
「危険です、殿下! 花粉が付いているかもしれないですよ」
「何言ってんの、彩香、そんな訳ないでしょ」
「いや、奈菜よ、おのこのパンツであれば花粉が付いていても不思議ではあるまい」
「付いてたら不思議です! 男の子っていうのはですね……」
 説明を受け、超子たちは愕然とした。
「何と! アレが花粉玉ではないと申すか!?
 花粉玉とはミツバチが花粉を集めて脚に作るものである。
 それからふたりに男性というものについて語る奈菜だった。彼女は正しい知識を持っていたのだが、高校生なら知っていて当然なことでも、巫女子学園では珍しい存在だったのである。
 次々とされる奈菜の話に、いちいち驚愕する超子と彩香であった。
 
 そんなことが起こっているとはつゆ知らず、義也はマリアンの部屋にいた。
 マリアンはちょっとお洒落な普段着である。胸元が広く開いているのと、ミニスカートにちょっと困る義也だった。
「和教だけど、テスト範囲のほとんどは日本人なら大抵知っていることだから、ポイントだけ押さえとけばいいと思うんだけど」
「だな、そうしてくれるか?」
「じゃあ、教科書に沿ってやってみるね」
 神学とほぼ連携した内容であり、生活面、倫理面での教えも多い。
 恥というものを嫌い、たとえ他人が見ていなくても、神や精霊には見られているからと自らを律するのが日本人というものなのだ。
 また、仏教など多宗教も包含しているため、和教にも仏教用語が入っている。『縁』や『縁起』というのもそうだし、『輪廻転生』もそうである。
 もちろん違いもあり、和教ではキリシタンと同じく天国と地獄があるが、仏教では極楽と地獄であり、同じ懺悔でも、和教はこれもキリシタンと同じく『ざんげ』と濁るが、仏教では『さんげ』と濁らない。
「大体こんなもんかな」
「ああ、サンキュな」
「じゃあ、定着タイムにしましょ。ちょうどティータイムだし」
「じゃ、ミルクティーだな」
 ふたりはミルクティーでクッキーを摘んだ。サクっとしたバターの効いたクッキーで、あまりクッキーを好きではない義也でも美味かった。
「ねえ、義也くんは何かスポーツやってたの?」
「ああ、サッカーやってた」
「上手かった?」
「普通、かな。準レギュラーって感じだったし」
「そっか、ここに来て続けられなくて残念なんじゃない?」
「いや、そうでもないな、滅茶苦茶頑張ってたって感じでもなかったし、だから準レギュラー止まりだったんだろうけど」
「そうなんだ」
「あ、でもここって敷地内ばかりの移動だから、コンビニとかモクドとか行けないのはちょっと残念かな」
「モクド?」
木土鳴門もくどなるとっていうハンバーガーチェーンだよ、行ったことないのか?」
「知らないなあ、今度連れてってくれる?」
「ああ、外出許可が出るならみんなで行こう」
「みんなで、か……」
 木土鳴門は、徳島県鳴門の中金なかがねさんが始めたハンバーガーチェーンなのは言うまでもない。
 そんな話をして時間が過ぎていった。
「あっと、いけない、もう時間だ。じゃあ問題、いくね」
「お、おう」
 割とすんなりと答えられたのは教え方が良かったからだろう。
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