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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-7 家庭教師-Page43
 最後の授業のために部屋に教科書を取りに行く。
「まだ終わらぬのか? 義也よ」
 不満そうな声の超子だが、義也の方は見ていない。
「ああ、次が最後だ」
「次は何じゃ?」
「本草学」
「そうか」
「なあ、さっきからこっち見ないみたいだけど、何かあったのか?」
「な、何もあるわけがなかろう」
「ならいいけど」
 奈菜から色々聞いたせいで、恥ずかしくて見られなかったのだが、そんなことは義也が知る由もない。半分は正しい知識のせいで恥ずかしくなり、半分はおしべや花粉だと自慢げに話したことを恥ずかしく思う超子なのだった。
 彩香も義也を見ず、奈菜だけが義也の方を向いていた。
「おっし、行ってくるな」
「うむ。行ってこい」
 何様だよ、あ、宮様か、などと考えつつアンナの部屋に向かう義也だった。
 
 ドアをノックするが返事がない。
 もう一度ノックすると、少しだけドアが開いた。
「ど、どうぞにゃん」
「にゃん?」
 部屋に入ると、そこにいたのはピンクの猫耳メイドだった。
「な、どうした、アンナ!?
「ご主人さまのために着てみたにゃん」
「そ、そうか」
「可愛いにゃん?」
 一回転してみせるピンクの猫耳メイドである。
「あ、ああ、可愛い、よ」
 意味は分からないが、自分のためなのだろうとは義也も分かった。
「ねぇ、義也、教えるときは普通に喋っていい?」
「俺がやらせてるみたいに言うなよ、普通でいいよ、普通で」
「じゃ、始めるね。本草学はまだ授業を受けてないから分かりにくいと思うんだけど、何をするのかは知ってる?」
「多分、薬草とかそういうやつかな、薬学とか医学の元になったみたいな」
「本草学というのは、意味合いとしては博物学というのが一番合ってると思うよ。義也の言ったのは大陸の方の神仙思想からの本草学だね」
「なるほど、日本のは違うんだな」
「まあ、向こうのも包含してるし」
「なんでも包含するのが好きだよな、日本って」
「全部受け入れて吸収するからね、和教もそうだし。でね、漢方薬も対象なんだけど、それってスパイスなんだよ」
 クローブが丁字ちょうじ、クミンが馬芹ばきん、ターメリックが鬱金うこんなどである。漢方薬とスパイスが同じものなのだから、カレー粉も同じようなものである。なお、漢方胃腸薬には制酸剤も入っているため、カレーを食べて胸焼けしたからと漢方胃腸薬を飲むのは無駄ではない。
「そうだな」
「もうひとつ、医食同源というのもあるから、中間考査はスパイスを使った調理試験なんだって」
「え? 料理すんの?」
 義也は料理はほとんどしたことなどなかった。
「そう、だからエプロン選んでて、この服に決めたら、やっぱ猫耳でしょってなって」
「なんで猫耳メイドなのか分かってよかったよ、かなり不思議だったから」
「でも、可愛いにゃん」
「可愛いけど」
 アンナは右手をグーにして挙げると、伸び上がって言った。
「じゃあ、レッツクッキン!」
「はあ」
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