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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-7 家庭教師-Page46
 テレビでは高校生が自殺したというニュースが流れていた。
 相談もできず、あるいは相談しても取り合ってもらえず、自分ではどうしようもなく自殺に追い込まれているのだろうが、どんな事情があるにせよ、自殺してはいけないと義也は思う。学生の場合、数年後には自殺する理由から解放されるのだし、もっと簡単には転校だってできるのだ。
「人生なんてどう変わるか分からないのに」
 そう独りごちる義也だった。
 しばらく待ったが超子たちが戻って来ないので、帰ったのかもと思い、みんなを待たせても悪いので食堂に向かった。
 そこで義也は、またも信じられない光景を目の当たりにする。
 マリアたち五人だけではなく、超子と彩香と奈菜まで席に着いていたのだ。
「遅いではないか、義也よ」
「いや、部屋でお前らが帰って来るの待ってたんだけどな」
「そ、そうか、それは済まぬの」
 すると、彩香が、
「私は先輩の部屋に戻るように言ったんですが、『べ、別に、義也のために来てるんじゃないんだからね』と殿下が仰って」
 続けて、超子が、
「そしたらマリアが、『義也さんもお腹が減ったら来ると思いますから』って言っての」
 最後に、奈菜が、
「『ならば食堂へ行くのじゃ、お、お腹が空いたからじゃないんだからね』って殿下が言われたんです」
 ――モノマネ合戦か!?
「そう、なんだ……」
 そう言って義也が席に着くと、祈りを捧げ、食事が始まった。
 義也はフライドチキンをしこたま食べた後だったが、夕食に出されたチキン南蛮も美味しかったようで、ペロリと完食した。
「なあ、この後の復習ってどこでやるんだ?」
 義也の問いに、マリアが答えた。
「義也さんの部屋を予定していたのですが、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。超子たちはどうする?」
「わらわも参加じゃ。助さん、格さんはどうじゃ?」
「助さんじゃありません! もう一度寮の方に連絡してもらえれば大丈夫です」
「私も格さんじゃないですから。二年生の勉強も見てみたいです」
「うむ。全員参加じゃな」
「勉強なんですから、これだけはいくら殿下でもダメです」
 きっぱりと断るマリアだった。
「むっ、マリアよ、わらわをのけ者にいたすと申すか」
「そうじゃありませんけど、勉強なんですから」
「わらわは一日中我慢いたしたぞ、どれだけわらわが……」
 超子の声が震えていた。
「もうちょっとなんですから、我慢をお続けください、殿下」
 マリアに対しついにキレる超子だった。
「うるさい、うるさい、うるさーい! ならば決闘じゃ!」
「まあ、まあ、超子も落ち着いて」
 とりあえず仲裁を試みる義也である。
「ならん! 表へ出よ!」
「望むところです!」
 そして本当にぞろぞろと表へ出て行ってしまうが、それをすべもなく見送る義也であった。
「何してるの、早く行きなさい」
 母マリアに言われて、義也は仕方なく席を立った。
 
 既に夜だが、迎賓館の前は照明で明るい。
 対峙するマリアたち五人と、超子たち三人、超子は腕組みをして睨んでいる。風が出て来たのか、髪や服がなびいていた。
「仕方ありませんね、私もひぃさまにお味方しましょう」
 そう言って超子の右に立ったのは、真水湖だった。
「私めも義によって助太刀いたします」
 八鳥美歌もどこからか現れ、超子の左に立つ。
 これで五対五、数の上では同じになった。
 彼女たちは、なおも互いを睨み続けている。
 義也が向かったのは、両者のちょうど中間くらいだった。
「ちょ、やめっ!」
 皮肉なことに、義也の止める声を合図に、戦闘が開始された。
 彼女たちは祈り、あるいは詠唱を始める。
 同じ五人とはいえ、義也の第二段階の譲渡を受けているマリアたちに対し、超子たちは第一段階の譲渡しかしていない。マリアたちが圧倒的に優位だった。
 マリアたち五人から強い光りの弾や大きな火や雷などが撃ち出される。ひとつにでも当たったら、ひとたまりもないだろう。
 同時に超子たちからも同じように打ち出した。
 しかし、一見しただけでその差は歴然である。美歌はマリアたちと大差ないが、真水湖は少し劣り、残り三人はかなり劣っていた。
 ――このままでは怪我人が出る。
 その瞬間、義也は真ん中に立ちはだかった。
「人にそんなもの撃つなー!」
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