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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-8 強度七-Page49
 学園長室のドアをノックすると、お入りという声がした。
「来たね」
「何の用でしょうか、学園長」
「始まったよ、例のやつさ」
「例のって、あの予言のやつですか?」
「ああ、霊気が急速に高まっているのが探査衛星で捕らえられたと報告が入ってる」
 学園長は衛星写真などを机の上にバサッと投げ落とした。彼女は画面ではなく紙に印刷したものがお好みなのだ。
「どこです?」
「ヤバイところさ。江戸湾の入り口辺りだよ」
 衛星写真と地図を合成した画像のその位置を、二度指で叩いて学園長は示す。
「そんな場所だと、下手をすると津波になりかねないですね」
「だから、先手を打たないと、ここだってどうなるか分かりゃしないよ」
「俺が行くしかないですね」
「守ると言っておいてなんだが、ぬしにしかやれぬのも事実だろう、やってもらえるかい」
「もちろんです」
「うむ、主の他に、マリアたち五人を行かせるし、イザベルたち五人も協力することになっている。神衛隊ももちろん出すつもりだよ」
 学園長がそう言うからには、既にマリアたちには話が通してあるのだろうと義也は思った。
「実体化して覚醒はまだですよね」
「もちろんさ、実体化したら終わりだからね」
「出発はいつです?」
「遅くとも夕方には。だからすぐに伝えようと思って呼んだのさ、準備だってあるだろうからね」
 その時、学園長の携帯電話が鳴った。
「私だよ……ああ、話はついた……何だって! ……分かった、すぐに向かわせる」
 学園長が義也を見た。
「予言より少しばかり早いが、本格的に始まっちまったようだ。準備どころじゃなくなったが、すぐに出られるかい?」
「はい!」
「校庭に集合だよ。マリアたちもすぐに向かわせる」
 そう言うと学園長は電話をかけ、何か指示を出していた。
 いったい何が起きているのか、だ。
 数ヶ月前に神託によって予言されていたことなのだが、義也の力が増すにつれ、悪鬼の力もまた増すため、巨大な、それも強度七も想定される悪鬼が江戸周辺に出現するとされていたのだ。その巨大悪鬼の兆候が江戸湾の入り口付近で見つかった。そんなところに強度七などが出たら、江戸湾の水は津波となって押し寄せ、江戸八百八町は壊滅的被害を受けるに違いない。
 だから、実体化の前に討伐してしまおうということなのである。
 義也は校庭に向かって走った。
 位置的に道場からならすぐなのだが、園長室からはかなり遠い。
 ようやく校庭に着くと、そこには既に、CH-47輸送ヘリコプターと、MV22オスプレイが待機していた。前者が国防軍、後者はメリケン軍のものだ。マリアたちは国防軍輸送ヘリ、キリシタンズはオスプレイの前にいる。みんなはやはり先に着いていたのだ。
 どっちに乗るべきか、義也は迷っていた。誰が乗っているからなどという問題ではない。輸送ヘリに乗りたいか、オスプレイに乗りたいか、という問題なのだ。
「ジョシュア、こっち~は『空母ジョージ・ワシントン』に向かいま~す!」
「義也さん、こっちは『イージス艦みょうこう』だそうですー!」
 それを聞いて、さらに悩む義也。
 オスプレイに乗って空母か、輸送ヘリに乗ってイージス艦か。
 イージス艦はまた乗れるかもしれないが、空母は日本の船じゃないからそうもいかないだろうし、オスプレイにも乗ってみたいし、よし今回はメリケンさんのお世話になろう、そう義也が決め一歩踏み出そうとした瞬間のことだった。
「何やってんだい、主が乗るのはそっちだよ!」
 やっと追いついた学園長に押された先にあったのは国防軍の輸送ヘリだった。
 義也が来たことを喜ぶ、天使のようなマリアたちの笑顔が眩しかった。
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