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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-8 強度七-Page51
 永遠と思われるものにも、終わりというのは来るものである。
『目標水域に到着いたしました』
 スピーカーから何事もなかったかのような声が響く。
 しかし、その声に応えるべき艦長は生死の境にいて、とある川の渡し船で船酔いに苦しんでいた。後に艦長は、後一分遅ければ向こう岸に着いていただろうと語っている。
 ともあれ、その後はゆったりとした時間が流れていた。
 艦長ら乗組員の回復を待っているとも言う。
 その時、通信が入った。
『生きてるかい?』
 学園長である。
 そのに対し、義也は思いきり低い声で答えた。
「地獄にいることを生きているというなら、な」
 義也は極限状態なので、学園長にもぞんざいになっている。
『おかしいね、海は穏やかそうなのに』
「学園長はどこにいるんだ?」
『私ゃ大統領官邸の国防対策室にいるよ』
「会議室は楽そうでいいな、事件は現場で起こってるのに」
 しばらく無意味な論争があったが、割愛しよう。
『そうかい、そんなことがあったのかい。まあ八鳥は真面目だからね、主の役に立ちたいと願い出たんだが』
「今や敵でしかないがな」
『ところで、そっちの巫女たちには第三段階までの譲渡を許可するよ、悪鬼は想定強度七だしこの際だからね。まあ第二段階か第三段階かは主に任せるから』
「いや、心の準備が」
『何言ってんだい、男なんてどうでもいいさ。大切なのは女の子だよ、いい思い出を作っておあげ』
「ちょっと待て、学園長から説明してくれよ」
『通信を終わる』
「俺からって、どんな苦行だよ」
『通信は終わってるよ』
 がっくりと肩を落とす義也に、マリアが声を掛けた。
「あの、義也さん、第三段階の譲渡って?」
 通信はスピーカー音声なので全部聞こえていたのだ。
 彼女たちには第二段階の譲渡をしているのだから、乳房以上となるとどこを慰撫されるのかと不安になるのも当然だろう。
「いや、その方法がちょっとね」
「痛いとか?」
「痛く、はないかな」
「えっちいとか?」
「どう、かな」
 義也は説明に苦慮しているが、どういうものかというと、実は大したことはない。人によっては、かもしれないが。
「えっと、な、実は、キスなんだ」
「キス、ですか」
「キスだってさ」
「なんだキスか」
 そんなみんなに、義也は言った。
「な、ヤック・デカルチャーだろ?」
 ヤック・デカルチャーとは『なんと恐ろしい』という意味の、義也の好きなアニメの台詞だった。
「よっし、順番決めよ!」
 義也の言葉を無視したサラの言葉を合図に、じゃんけんを始める五人である。
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