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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-8 強度七-Page54
 そんなことを考えているうちに、義也の前には既に順番も決まり、空中に並んで待つキリシタンズがいた。
 ――落ち着け、キリシタンズにしたらキスなんて挨拶だろう、特別じゃないはずだ。
 初めてではないので、躊躇ためらうことも少なかった義也だが、そのキスは思っていたのとは違っていた。
「ハラーショ、パツィェルーイすんねや」
 ハンナ・バチェリコヴァは、舌をからめてパツィェルーイしてきた。
「ワァオ、ジョシュアとキスするで~す」
 イザベル・アンダーソンは、むさぼるようなキスをした。
「ノンとは言わせませんよ~、ベゼしましょ~」
 イヴ・ル・ヴェリエは、当然フレンチキスなベゼである。
「あたし~も、バーチョした~いです」
 ミリアム・ラッツァリーニは、情熱的なバーチョだった。
「クスなんて挨拶みたいなもんですから」
 ディナ・プレゲスバウアーは、挨拶ではありえないクスをした。
 あえて言おう、フレンチキスというのは間違って覚えている人もいるが、ディープキスのことである。
 大人の階段をここ数日で何歩か上った気がする義也だった。
 キリシタンズたちもその瞬間から強いオーラが溢れてきた。
 それからのキリシタンズは凄まじかった。パワーが段違いに上がったのだ。
「えらいもんやで、しかし」
「ワッツ? エナジーが半端ないで~す」
「こんなの~初めてですよ~」
「負け~る気がしな~いです」
「これは、癖になりますね」
 みるみるうちに海水が削り取られていき、嵐もかくやとばかりの風が舞っていた。
 悪鬼本体がうっすら見えてきている。足の多いタコ、あるいは赤黒いクラゲか。義也の脳裏にクラーケンという言葉が浮かんだ。
「やってみるよ!」
 気の早いサラが攻撃を仕掛けた。
 だが、それに呼応するかのように、足というか触手というかが伸びて来る。
 その数は無数と言っていいだろう。
「海水を安定させろ! 攻撃は後だ!」
 義也の指示が飛ぶ。
 伸びて来る触手を避けつつ、蒸発を続ける者、風を起こす者、盾となって触手から仲間を守る者がいる。
 八鳥美歌が斬りかかるが、触手が霧散するだけで本体にダメージはなさそうだ。それは炎でも雷撃でも風の刃でも同じだった。
「どうやら攻撃が効かぬようじゃな」
「覚醒して実体が固まるまで待てば効くようになると思うのですが」
「それまで待ったら被害も凄いよね」
 覚醒が近づいているのか、こちらの攻撃に反応してのことなのか、辺りの空気まで振動し始めているのが分かる。
 波もこれまでとは違ううねりを生みだしつつあった。
 ――このままじゃマズい。
 義也は悪鬼が実体を得る前に質量を与えたらどうかと考えた。地属性の力である。神の粒子、神の領域と授業で教わったもので、やったことはないが、やれるという確信がなぜか義也にはあった。
 義也は深く神に祈り、次の瞬間、ぱっと両手を突き出した。手の先からゆらめきが生じ、それが悪鬼の本体へと向かう。
 ビリビリと空気が震えた。
 すると、延びていた数十本の触手が同時に一瞬跳ね上がり、すぐに動きが鈍って下がっていく。触手は、急に質量を得たため自らの重さを支えられなくなったのだ。
 本体もぼこぼこと膨らんだり縮んだりしていた。同時に海面もうねり、荒れ狂う。
 ――く、ミスった。
「海水を押しとどめるんだ!」
 イージス艦や空母でさえ、木の葉のように揺れていた。
 これは巫女たちでは抑えきれそうにない。
 ――アレをやるしかないな。やったら色々バレるかもしれないけど。
 義也は意を決した。
「父さん、力、借りるね」
 うむ。
 義也が両手を高く挙げると、その手の上に光りが集まって来る。
「何と、元気玉か!」
 超子は感動しているが、まったく違う。
「はぁぁぁー、行っけぇーーー!」
 ヒーローアニメの真似をして叫びながら義也が手を振り降ろすと、巨大な弾が海の上を高速で飛び、彼方へと消え去った。
 何も起こらない、かに見えたのだが。
 光が飛び去った真下の海に亀裂が走り、両側が滝のようになって海水は上昇し、海が割れていく。幅が三百メートルほど、長さは数キロはありそうである。
 やがて海底が顔を出した。
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