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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-8 強度七-Page55
 海水がなくなり、悪鬼本体は海底に自重によってへばりついている。
「モーゼス……」
「海が」
「すごっ!」
「よし、総攻撃じゃ! ゆくぞ! フォーメーション、ヒミコ!」
 超子が叫んだのは、『ひみつの姫巫女☆彡』第十二話のラストシーンの台詞だった。
 意味は分からないが気持ちは通じたのか、飛んで行く超子に全員が倣う。
 だが、義也には分かっていた。
 超子はノープランで、勢いだけで言っているのだと。
 だから、義也は、くの字の頂点、超子の前に出た。超子を守り、悪鬼に神の力を撃ち込むためである。
 その時、悪鬼はソフトボールからサッカーボール大の黒い弾を無数に撃ち出してきた。
 義也たちは光や炎や風を放ち黒い弾を消し去ってはいるものの、何しろ向こうの数が多い。
 左舷弾幕薄いぞ何やってんの状態だ。
 ついには全員が被弾し、海底に落ちてしまった。海底への激突は避けたものの、被弾した弾は服にへばり着いて取れない。すると、彼女たちの着ている巫女装束が煙りを出して溶け始めた。身体は義也の祝福で守られているが、服はそうではなかったからだ。
 しかし、そこはさすがは巫女である。
 謎の光によって大事な部分が見えてしまうようなことはなかった。
 一方、義也にはまったく変化がなく、へばり着いていた黒い弾も霧散していったのは力の格の差だろう。
 義也は立ち上がった。
 マリアたちの様子を見ると、どうやら大丈夫そうである。裸は除いて。
 ――ここから力を放つにはマリアたちが近すぎるな。
 霊障はおろか、悪鬼同様に消し飛ばしてしまうかもしれないのだ。
 こっちから行くしかないと義也は思った。
「だったら、これだぁー!」
 ヒーローアニメを気取って叫ぶと、義也は本体を目指して飛んだ。
 両腕は体に付け、黄色いオーラを頭頂部からまき散らしながら、速度を上げて一直線に頭から悪鬼本体に突っ込んだ。
 何事も起こらない、かに見えた次の瞬間、弾ける光!
 光が悪鬼を包み込むようにドーム状に膨らみ、一瞬輝くとやがて薄くなり、ついには悪鬼もろとも消えてしまった。
 そこには何もない海底があるだけだった。
 義也も、いない。
「嘘、義也くんは?」
「ヨシュアはどこで~すか?」
「義也ー!」
「義也さーん!」
「ジョシュアー、ウェラァユ!」
「義也っちぃ!」
「義也さまぁ!」
 口々に叫ぶ巫女たちだった。
 ふと、マリアはあることに気づく。
「大丈夫よ、みんな!」
「なぜじゃ? 義也はおらぬぞ、マリア」
 超子は涙声で、目には大粒の涙が光っている。
 両手を広げてマリアは言う。
「海です!」
「海、か」
「海やね」
「海がどうしたのじゃ?」
 超子の問いに、マリアは確信を持って言った。
「まだ割れたままでしょ、義也さんの力は消えてませんから」
「そうか!」
「ですな!」
「私たちは巫女でしょ、義也さんのために祈るのです!」
「よし、一斉に祈るのじゃ!」
 全裸の巫女たちは一斉に跪くと、一心不乱に祈り始める。
 辺りは謎の光が溢れていた。
 
 その時、義也は別の光溢れる場所にいた。
「よぉう、ペテロー、また来たぞー」
「またって、懲りない方ですね」
「自分でもそう思うよ、どうしてだと思う?」
「知りませんよ。で、どうします? 今度こそ入りますか?」
「天国の門を? 嫌だよ、俺は還るよ、待ってる人もいるし」
「今度こそ、お茶くら飲んでってくださいね」
「いや、いいや。向こうでみんなと飲むから」
「そうですか、無理強いはしませんよ。それにしても、いくらあなたでもムチャしない方がいいですよ」
「だな、気をつけるよ、あ、みんなが呼んでるな、グッバイ、ペテロ」
「神のご加護があらんことを」
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