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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-9 エピローグ-Page56
 空から光の柱が降りて来る。
 光が海底に着くと、その中に義也はいた。
「いやぁ、まいった、死んだかと思った」
 そんなことを言いながら義也はみんなに歩み寄って行った。十二人の巫女たちは義也を取り囲み、涙し、歓喜した。
 マリアは涙を流しながらも笑顔を作って言う。
「神の子は簡単には死にませんね」
「まあね、今度は死なないようにしたからって、父さんも言ってたし」
 そう、義也は神の子だったのである。それが義也を特別とする理由であり、キリシタンズが遺伝子を欲しがる理由でもあったのだ。
「なんと、神の子か! どうりでカメノコでは意味が分からぬはずじゃ」
 実は、超子は人の心が分かるのではなく、神の声を聴くことができるのである。神託では精霊と心を通わすのだが、神の声は神が語らぬ限り知ることはできない。だから、マリアたちは義也が神の子だという神託を得られても、超子の未熟な神託能力だけでは詳しく知ることができず、カメノコ止まりだったのだ。なお、義也は自分が神の子だということを当然知っていて知らない振りをしていたのだから、超子に心が読めないことは既に義也も気づいていた。
 神の声とは何か、それは……割愛しよう。いくつかヒントは書いてある。
 怒濤のネタばらしも終わり、義也は船に全員分の服を取りに行かされた。
 イージス艦には女性用はなかったが、空母の方にはあったのだからさすがはメリケンである。もっとも、イージス艦みょうこうは乗員三百人で、空母ジョージ・ワシントンは五千六百八十人と十九倍も乗っていて、規模がまったく違うのだから単純比較しても意味はない。
 サイズが分からないので普段着を適当に数十人分ほど用意してもらい、大きな段ボールに詰めると、義也はみんなの待つ海底に運んだ。
 女子たちは持って来た洋服を見て、どれが似合うだのこっちが可愛いだのと始まり、義也は着るまで離れているように言われた。
「こっち見たら殺すから」
 なんでそこまで言われなければならないのか、さっきまで平気だったのにと義也が思ったのも仕方ないことだろう。
 それでも義也は言いつけ通り離れて待った。
 急いで着れば数分で終わるはずだ。
 違った。
「それと交換してみない?」
「やっぱりこっちか」
「この組み合わせが鉄板でしょ」
「わらわはそっちを所望じゃ」
「殿下、これは胸のサイズが、いえ、なんでもありません」
「やっぱりスティツの服は最高で~す」
「フランスでしょ~最高なのは~」
「イタ~リアに決ま~ってます」
「どっちゃでもええがな」
 一時間経過しても終わる気配は、ない。
 海を割ってるのって結構力を使うんですけど、とは言えない義也だった。
 さらに三十分ほどが経過し、やっと着替えが終了した。
 義也はへろへろになっていた。
 みんなで残った服をまとめ、段ボール箱を義也に持たせると、急いで船に戻る。
 それを待っていたかのように、ゆっくりと海は元に戻っていった。
 向かった先はもちろん空母の方である。イージス艦はトラウマになっていたのだ。
 無線でイージス艦に帰投を指示し、ロープ程度では忍者なら抜け出せるだろうと、軍用拘束具を借りて八鳥美歌を本格的に拘束すると、空母にも帰投するように頼んだ。
 ――快適だな、空母最高!
 イージス艦も快適な帰路だったのは言うまでもない。
 空母内はメリケンの軍事機密だらけのため、一室に留まるように言われた。しかし若い水兵が呼びに来て、義也とイザベルだけ連れ出されたのだが、これは艦長から空母内の見学が許可されたからだった。もっとも、イザベルは通訳としての同行だったが。
 艦橋ブリッジに入ると、艦長以下全員が脱帽し、十字を切り、頭を下げている。
 義也が海を割ったのを見ていたからだ。
 そこにあったのは、畏れであり、敬意だった。
「マィ・ロード」
 艦長はそう言うと、義也に跪いた。
 その後は艦長他数名の案内で格納庫を見たり、施設を周り、最後は甲板に出ると、義也のために離発着までしてみせてくれた。
 カタパルトに乗りアフターバーナーを吹かす艦上ジェット戦闘機!
 スチーム式カタパルトは男の憧れですらある。電磁式カタパルトでは趣きがないのだ。
 目を輝かせた少年がそこにいた。
 ――すっげぇ!
 今はムリだが、今度許可を取ったら後席に乗せてやると艦長が約束してくれた。
 義也は思わず艦長をハグし祝福した。
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