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Update 2015-02-28

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俺と巫女と和の神




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俺と巫女と和の神-9 エピローグ-Page57
 しばらく後、全員が甲板に集まり、オスプレイへ搭乗する。
 義也たちのやったことは、まず拘束したままの八鳥美歌をシートに乗せ、ベルトで厳重に固定することだった。
「もうしませんから、出してください」
「ダメだ」「ダメじゃ」
 誰も耳を貸さなかった。
 オスプレイでの離発着はヘリコプターと同じだ。ヘリとの違いは巡航速度であり、航続距離である。
 義也たちはまったく何事もなく、快適な飛行で校庭に降り立つことができた。
 本当なら、往きの輸送ヘリもイージス艦もこれと大差なかったはずなのに、それがこいつのせいで、と何人もが同時に美歌を見た。当然、未だ拘束を解こうという者はいない。
 校庭には学園長が待っていた。
「よくやった、ご苦労さん」
「気軽に言ってるけど、何度ペテロに会ったと思ってるんだ?」
「主なら大丈夫さね」
 にやりとする学園長である。
「さぁさ、とりあえず祝勝会だよ。迎賓館の方へ来ておくれ」
「待った、とりあえずって、何だよ」
「戦いは始まったばかりさ、次の巨大悪鬼が出るまでのつかの間の平和でしかないよ」
「マジか!」
「だがまあ、しばらくは大丈夫だろうさね」
 そう言うと学園長はすたすたと迎賓館に向かって歩き出していた。
 徳川侍従長が超子をエスコートして行き、神衛隊の隊員は拘束されたままの美歌を運搬して行く。
「じゃ、俺たちも行こうか」
 気を取り直すと義也はみんなに声をかけ、揃って寮に向かった。
 門のところには坂本乙女大統領と中田国防大臣が凱旋を待っていてくれた。中田大臣は、かの中田角衛元大統領の娘婿で、辣腕らつわんで知られ、国防省の生き字引と言われ畏れられている人である。大統領は笑顔で迎え、中田大臣はがっしりと握手で勝利を祝ってくれた。
 さらには、東宮妃さままでいらした。ちょうど娘の様子を見に、京の皇居からいらしていたのだ。
「母さま!」
「凪宮、ご活躍でしたね」
 優しそうな声だった。
「はい、義也と一緒に頑張りました」
「義也さん、これからも凪宮をお願いしますね」
「はい、もちろんです殿下、お任せください」
 勢いで安請け合いする義也である。
 祝勝会のために女性たちは着替えてくるという。超子は御用邸まで戻り、キリシタンズは寮へ、マリアたちは自室での着替えである。義也も母マリアに促され、自室に行った。
「義也、お疲れさま」
 部屋に入るなり、母マリアは母として話しかけてきた。義也はあったことを色々と話しながら、用意されていたフォーマルスーツに着替えた。
 食堂に行きテーブルに着くと、お茶とケーキ類だけでなく、軽食も用意されている。
 待っていると、みんなも優雅なドレス姿になって戻って来た。
 徳川侍従長にエスコートされて入ってきた超子はまさにプリンセスで、清楚にして可憐である。普段の喋り方は悪い虫が付かないようにと、誰かにそうするように言われているのかもしれない。まあ、母の前では普通の喋りなので、侍従長しか考えられないのだが。
 マリアたちのドレス姿も素晴らしいが、キリシタンズのドレス姿は反則級に凄かった。八鳥美歌まで楚々としたドレスに身を包んで参加している。
 全員が揃うと神への祈りの後、学園長の一言で祝勝会が始まった。
 我慢の限界である。義也は昼食前に飛び出して、力を使い果たしているのだから。
 もりもり食べ、ぐびぐび飲んだ。
 みんなは、東宮妃や大統領の前でもあり、淑やかに紅茶を楽しみ談笑している。
 義也は周りを見渡した。
 口元からこぼれるスパゲッティーが悲しい。
 とはいえ、誰も義也を咎める者はいなかった。
 ひとりを除いて。
「ちょっとお行儀が悪いですよ」
 小声で母マリアが指摘してきた。
「ごめん、腹へっちゃって」
 その様子を見ていたマリアが問いかけてきた。
「あの、こちらのメイド長さんって、義也さんとどういう関係なんですか?」
 ――ゲッ、マリアは鋭いからな。
 関係がバレないようにと学園長から言われているのだ。
 何か言わないといけない。
「婦人よ、あなたと俺がどんな関わりがあるのか」
 義也は焦って訳の分からないことを口走る。
 その言葉でマリアには母と分かってしまったのだが、義也はそれに気づかなかった。
 
  完
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